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なぜ実燃費とこんなに違うのか? 「カタログ燃費」計測の奥深〜いプロの"妙技"
よくて8掛け、時には6掛け
〔PHOTO〕gettyimages

不正問題で世の中の注目が燃費に集まっているなか、今改めて話題になっているのがカタログに記載されるJC08モード燃費と実燃費との差の大きさだ。BC(ベストカー)読者なら「常識」という話だが、今回のことで初めて知った人も多いだろう。ここで改めて検証してみたい。

なぜ実燃費とこれほど違うのか?

JC08モードは'11年4月より始まった。'91年から続いていた10・15モードを改正し、より実燃費に近い数値が出るという触れ込みだった。

ご存じのとおり、JC08モード燃費の計測はシャシダイナモを使って室内で行われる。車重や走行抵抗に合わせた負荷を設定し、決められた走行パターンに沿って試験する。その走行抵抗の計測に不正があったというのが今回の問題だが、それはここでは置いておく。

JC08モードは10・15モードよりも所要時間、平均車速、最高速、距離などすべてが高く設定されており、燃費に厳しいコールドスタートの要素も加味されている。それでもなお実燃費との違いが激しいのはなぜなのか。

実は、BCは'12年にJC08モード計測を体験取材したことがある。実際にやってみれば、これがいかに専門的な技術が必要な試験であるかよくわかる。

テストは車両の右斜め前方に設置されたモニターに表示されるドライバーズエイド(運転指示装置)に沿って行う。ずっと斜めを見ながら操作することになり、これがすごい違和感。

運転指示には速度の下限と上限の許容域を示すラインが引かれており、それに合わせてアクセルとブレーキを操作するのだが、これが素人には難しい。加速は意外と速いし、ブレーキも想像以上にハードな操作を強いられる。

加速、減速が次々に指示され、ついていくのがやっと。「省エネ運転なんて気にしているヒマなかった」というのが体験した編集Mの感想だ。