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鳥越俊太郎氏の出馬会見を大手メディアはどう報じたか
~「デジタルデバイド」を助長する報道界の悪しき慣行

都民にとって重要な情報はどこに……
地元紙として東京都知事選報道に力を入れる東京新聞の14日付朝刊。鳥越氏の公約は「がん検診100%」

重要なニュースを伝えない大手メディア

土壇場で都知事選への出馬を表明したジャーナリストの鳥越俊太郎氏。7月12日に同氏が急きょ開いた記者会見はネット上ですぐに話題になった。

鳥越氏の出馬表明で野党統一候補がようやく決まったからではない。出馬会見で同氏の準備不足が露わになったばかりか、本当に都政に関心を持っていたのかどうか疑問を抱かせる発言が出たからだ。

にもかかわらず、鳥越氏の出馬会見を報じる大手メディアの多くは都民にとって重要なニュースを伝えずに終わっている。きちんと伝えていたネットメディアやブロガーとは対照的だった。

12日に鳥越氏が帝国ホテルで開いた出馬会見のハイライトをおさらいしておこう。元防衛相の小池百合子氏や元岩手県知事の増田寛也氏らの有力対立候補とみられる鳥越氏だけに、大きな注目を集めた。

鳥越氏は会見の冒頭、自らの出馬理由を説明するなかで、次のように語っている(ヤフー「THE PAGE」の会見全文から引用)。

●(少子高齢化問題に触れて)「東京都では若干、出生率はほかのところよりは高いといわれていますけれども、それでも当然まだ1.4、出生率1.4前後です。これではとても人口を保っていくわけにはいきません」

●(戦争を知る世代であることを強調して)「私は昭和15年の生まれです。終戦のとき20歳でした。もちろん空襲も覚えています。防空壕に逃げ込んだこともよく記憶しております」

出生率については、会見中に裏方から「東京の出生率は1.17で全国最低」と指摘され、その場で訂正している。

だが、鳥越氏が基本的な数字を押さえておらず、しかも東京の出生率は比較的高いという認識を持っていたのは明らかだ。これでは「都政に関心を持っていたのだろうか」と都民を不安にさせてもおかしくない。ちなみに1.4は秋田県(1.38)や青森県(1.43)に近い。

終戦時の年齢は、本当は5歳である。単に言い間違えただけかもしれない。とはいってもその後に空襲・防空壕について「覚えている」「よく記憶しております」という表現が続いている。正しく5歳と言っていたら、同じ表現になっていただろうか。

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