メディア・マスコミ 企業・経営
「自己満スクープ」で他紙を圧倒する日経新聞~なぜFTから何も学ばないのか
〔PHOTO〕gettyimages

他紙を圧倒する日経の「自己満スクープ」本数

日本経済新聞社が英経済紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の買収を決めてから今月でちょうど1年になる。果たして日経は挑戦的なFTから刺激を受け、リーク依存型の「エゴスクープ」と距離を置くようになったのだろうか。

記者は「いつもお世話になっているから日経さんにだけは特別に」と言われて未発表のプレスリリースを手渡され、それを新聞記事用に書き直して好意的な「スクープ」を書く――このようにしてエゴスクープは生まれる。

結論から言うと、日経は今もエゴスクープへ傾斜している。6月の主要紙朝刊1面を点検しデータ化してみたところ、日経はエゴスクープの本数で他紙を圧倒していることが分かった。やはりFTを買収してもFTの報道姿勢は見習っていないようだ(後で触れるようにFTは紙面上で日経のエゴスクープ体質を批判したことがある)。

日経は6月の朝刊1面に合計38本のエゴスクープ・業者スクープを載せており、16本で次点の読売の2倍以上、3本と最も少ない東京の12倍以上だった(エゴスクープから派生した業者スクープについては追って説明する)。読み物やコラムを除いたニュース記事全体に占める割合で見ても日経は4割近い数字で、断トツの首位だ。

エゴスクープ・業者スクープに該当する日経記事のうち、主なトップ記事を拾ってみると見出しは次のようになる。

〈 新日鉄住金 ブラジルの製鉄再編 合併先と分割交渉 〉(6月1日)
〈 イオン・花王で物流改革 運転手不足解消へ トラックリレー 〉(6月4日)
〈 トヨタ、総合職に在宅勤務、8月めど2.5万人対象 〉(6月9日)

英国のEU離脱(ブレグジット)や参院選の選挙戦スタートで世の中が大騒ぎしていた6月23日も例外ではない。

日経は朝刊1面でトップ記事として英国民投票を取り上げる一方で、3段見出しの記事で「マルハニチロは早ければ2018年度にも完全養殖したクロマグロの輸出を始める」と伝えている。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら