ゴルフ
全英オープン開幕! 松山英樹の戦略は「ひたすらシンプルに攻めるだけ」
試されるゴルフの真髄
〔PHOTO〕gettyimages

文・写真/舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)

難易度は海風と天候次第

いよいよ、全英オープンが開幕した。ロイヤルトゥルーンが舞台となるのは12年ぶり9回目。前回大会の2004年は日本ツアー出身の米国人、トッド・ハミルトンがプレーオフでアーニー・エルスを破り、「伏兵の勝利」と呼ばれた。

ハミルトンの優勝スコアは10アンダーだった。1997年大会でジャスティン・レナードが優勝したときのスコアは12アンダー。その前の1989年大会でマーク・カルカベキアが優勝したときは13アンダー。それ以前も過去のトゥルーンでの優勝スコアは10アンダー前後だった。

だが、その一方で1982年大会のトム・ワトソンの優勝スコアは4アンダーと伸び悩んだ。全英コースの中で最も海に近いトゥルーンは、1日のうちでも空模様がころころ変わり、海風次第、天候次第でコースの難易度も大きく変わる。そんな目まぐるしい諸々の変化の下で自分なりのゴルフを最大限に発揮できた選手がクラレットジャグを掲げることになるのだろう。

今年、地区予選を勝ち抜いてトゥルーンへの最後の切符を手に入れた53歳のコリン・モンゴメリーは、父親が長らくトゥルーンのメンバークラブのセクレタリーを務めたこともあり、コースの隅から隅までを熟知している。その“モンティ”がトゥルーンの難しさをこんなフレーズで語っていた。

「前半で伸ばせなかったら(後半に行く代わりに)プレストウィックのクラブハウスへランチに行ったほうがいい」

海岸線に沿って伸びるトゥルーンはフロント9で「行って」、バック9で「帰ってくる」レイアウトの7190ヤードのパー71(36-35)。前半は400ヤード以下の穏やかなパー4が3ホール続き、「ポステイジ・スタンプ」と呼ばれる名物ホールの8番(パー3)も123ヤーで距離は決して脅威ではない。

特別な攻略法は「ない」という松山英樹はシンプルにゴルフを考えて挑む〔PHOTO〕gettyimages

前半は右から吹き続ける風が、どちらかといえば終始フォローになるため、比較的スコアが伸ばしやすい。しかし、折り返し後、左からの逆風に転じる後半、終盤に向かえば向かうほど難度が増していくため、前半でできるだけスコアを伸ばすことが最善の道とされている。

だからモンティは「前半で伸ばせなかったら、もはや勝負は諦め、隣接するプレストウィックのクラブハウスで美味しいランチを堪能したほうがいいよ」と例えたのだ。

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