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「金融政策はもう限界」は本当か? デフレ脱却へ、アベノミクス第2弾でまずやるべきこと
問われる安倍首相と日銀の本気度
〔PHOTO〕gettyimages

ついに財政支出拡大が実現する

7月10日の参院選勝利をうけて、安倍首相は、本格的な経済対策の策定を始めた。参院選後もマスメディアは、憲法改正に対する強い懸念から安倍政権批判を強めているようだが、マーケットはとりあえず与党の大勝を素直に評価したようだ。

参院選前に発表された6月の米国雇用統計の結果がよかったことも影響したであろうが、今週に入ってから株価や為替レートは大きく好転している。

いわゆる「Brexit」問題が浮上して以降、ドル円レートは1ドル=100円を割りそうな勢いで円高が進行していたが、参院選の結果を受けて政策当局は「ピンチ」を脱することができた感がある。特に影響が大きかったと考えられるのは、12日火曜日に安倍首相が前FRB議長のベン・バーナンキ氏と会談をしたことであった。

バーナンキ氏は安倍首相との対談の中で、「日本の金融政策が採りうる政策手段はまだいくらでもある」と明言したとのことであるが、「日銀は万策尽きた」とたかをくくっていた投資家が一方的な円買いポジションを縮小させたことが今回の円安の背景にあるのではないか。

また、政府は、10兆円規模の経済対策を実施する見込みであり、財源の一部として建設国債の追加発行も検討するという。ニュース等で報道されている経済対策のメニューを見る限りでは、公共投資の拡大がメインになりそうだが、日本でついに財政支出拡大が実現する見通しが強まったことの意味は大きい。

財政政策発動の必要性については、ローレンス・サマーズ元財務次官が問題提起した「長期停滞論」以降、欧米の経済学者らの間で理論的な研究が進められている。

多くの研究は、「長期停滞」から脱し、元の成長経路に戻るためには、財政政策と金融政策の両方を緩和させるべきであるという政策的なインプリケーションを導き出している。これは、先進国のリーマンショック後の緩和政策が金融政策だけに偏ってきたことに対して大きな一石を投じるものである。

サマーズ氏の他にも、ニューヨーク市立大学教授のポール・クルーグマン氏も財政政策と金融政策の両輪で長期停滞を克服すべきだと提言している。しかも、両氏は、「長期停滞」は何も日本に限ったことではなく、利上げを実施したアメリカでさえも、まだ財政・金融両面で緩和政策が必要な局面であると述べている。

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