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英国EU離脱、その時財務省が為替介入をしなかった本当の理由

「超円高」は避けられたはずなのに…
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 財務大臣不在の判断でOK

財務省はこのほど、6月(5月30日~6月28日)の為替介入実績が「ゼロ」であったと発表した。英国の欧州連合(EU)からの離脱決定を受けて「超円高」が進む中、マーケットでは財務省による為替介入があるのではと話題だったが、「肩すかし」をくらった形である。

経済界では円相場の高止まりに対する危機感が高まり、経団連や経済同友会、日本商工会議所など各財界団体も為替介入を支持する考えを表だって示唆している。それにもかかわらず、財務省が為替介入に踏み切らなかった理由は何か。

そもそも為替介入とは、外国為替平衡操作といい、財務省の権限で行われるものである。財務省のホームページには、為替介入を実行するかどうかの「判断」について、次のように書かれている。

「為替相場は、基本的には、各国経済のファンダメンタルズを反映し、マーケットの需給により市場において決定されるものです。しかし、為替相場が思惑などにより、ファンダメンタルズから乖離したり、短期間のうちに大きく変動するなど、不安定な動きを示すことは好ましくないことから、為替相場の安定を目的として通貨当局が市場において、外国為替取引(介入)を行うことがあります」

つまり、財務省が「好ましくない」と思った異常な相場変動があった場合、為替介入が行われる。

財務省内でその意思決定がどのように行われるかについては公表されていないが、省内でもごく一部の人しか関与していないのが実情。

具体的には、財務官、国際局長、為替市場課長だけで決めていて、ここで決定があると、その朝、為替市場課長が日銀に連絡して、日銀は財務省の代理人として外債購入などを行うと言われる。つまり、財務大臣は事実上意思決定に加わっておらず、官僚主導で進められる。