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FinTechの流れを後押しする、中小企業用の新たな資金調達システムに注目!
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手形に代わる新たなシステム

金融庁は7月7日、都内のベンチャー企業に対して、「電子債権記録業」としての指定を与えた。

電子記録債権は、企業間の取引で生じた「債権」を電子データとして記録し、それを譲渡する仕組みで、手形取引などに比べて事務コストを軽減できることから、手形などによる支払いに代わる方法として将来性が期待されている。

「電子債権」にするには、取引の債権を電子記録化する必要があり、その登録先として「電子債権記録業者」が選定されている。

これまでは「みずほ電子債権記録」などのメガバンクが設立した子会社や、全国銀行協会が設立した「全銀電子債権ネットワーク(でんさいネット)」など、大手金融機関系に限られていた。でんさいネットの業務開始から3年がたったことから、金融庁はベンチャー企業にも門戸を開くことにした。

金融庁は昨年来、Fintech(フィンテック:金融・IT融合の動き)ベンチャーの育成に力を入れ始めており、今回の指定で新サービスが広がることを期待している模様だ。

指定を受けたのはTranzax(東京都港区、小倉隆志社長)グループ。子会社の「Densaiサービス」を指定機関とし、中小企業が発注元企業に対して持っている売掛債権を電子化。それを特別目的会社(SPC)に譲渡することで、中小企業が低金利で資金調達することを可能にする仕組みの提供を狙っている。

マイナス金利政策によって市場金利は大きく下落しているものの、中小企業向けの金利は下がっていないのが実状。売掛債権がバックにある融資でも、信用金庫などが中小企業の信用力をベースに判断しているためで、現在でも2%程度の金利を課しているケースが少なくない。

一方、Tranzaxが提供する仕組みでは、発注企業単位でSPCを設立するため、SPCは発注企業の信用力をベースに資金調達することが可能になる。このため、0.7%~1.2%の金利で迅速な資金調達が可能になるとTranzaxでは試算している。この仕組みをTranzaxは「サプライチェーンファイナンス」と命名、これに参加する企業を募っている。

すでに不動産会社3社を含む6社が参加の意向を示しているという。

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