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「EUショック」後の不透明な株式相場、いま心得ておくべき投資の「鉄則」は?
超円高に突入したらこう動け
〔PHOTO〕gettyimages

「これはリーマン以上のひどいことになるかもしれない」。市場関係者たちはそう口を揃える。イギリスから始まった恐怖相場はひとまず一服した感もあるが、依然として予断を許さない。逃げ遅れれば、大火傷だ。

もし超円高になったら?

「欧州発で不安材料が出るたびに、マーケットはパニック相場になる。その都度、安全資産とされている日本円に世界中からマネーがどっと押し寄せる。『1ドル=90円』に備える必要が出てきた」(ちばぎん証券顧問の安藤富士男氏)

1ドル=90円の「超円高時代」にはいったいなにが起きるのか。

まず言えるのは、その直撃をモロに受けるのは自動車業界だということ。証券アナリストの植木靖男氏が言う。

「超円高時代には輸出企業が真っ先にやられるというのが定石。実際、トヨタは想定為替レートを1ドル=105円に設定していて、為替がそれより1円円高になると年間400億円の減益要因になる。仮に1ドル=90円だとすれば、6000億円という巨額減益です。トヨタ株はすでに売り込まれ、6月末に節目の5000円を割り込んだ」

大手各社では日産ホンダなども軒並みやられるが、特に危ないのはマツダ。ミョウジョウ・アセット・マネジメント代表の菊池真氏が言う。

「今期、マツダは1ドル=110円、1ユーロ=125円に設定していますが、すでに為替レートはドルが100円、ユーロが110円近辺まで来ている。この円高水準でもマツダが想定している今期1700億円の営業利益は吹き飛び、赤字転落しかねない」

電機業界では、あの大手に「倒産」の二文字すら点滅しかねない。

「イギリスで鉄道車両を製造する日立製作所パナソニックなどは減益必至でしょうが、特に危険なのが東芝。優良事業を手放して半導体事業に集中したが、半導体は景気動向に大きく左右される。頼みの稼ぎ頭が赤字化すれば、経営の根幹が揺らぎかねない。

買収されたばかりのシャープにしても、世界的に液晶需要が減退し、厳しい業績が強いられる」(前出・安藤氏)

メーカーだけではない。メガバンクなどの大手金融も要警戒モードに突入している。松井証券シニアマーケットアナリストの窪田朋一郎氏が言う。

「EUショックが起きて以降、三菱東京UFJ三井住友みずほの3行の株には売りが殺到しています。今後、世界的な経済混乱によってアメリカが利上げを見送る公算が高まり、米国で稼ごうとしていたメガバンクの収益基盤が弱まると見られています。

加えて、リーマン・ショック時に話題となったデリバティブ(金融派生)商品で損失を抱える企業も出てくると言われている。同様の懸念は野村HD大和証券グループ本社などにもあがっている」

超円高が怖ろしいのは、欧州発で巻き起こる世界同時不況がダブルパンチで襲ってくることにある。

実際、欧州ではEUを維持するためにドイツやフランスが財政拠出を強いられ、スペイン、イタリア、ギリシャなどでは緊縮財政が断行される見通し。おのずと各国に不景気が連鎖し、欧州での稼ぎが多い日本企業は足元から大きく揺らぐことになる。

カブドットコム証券投資ストラテジストの河合達憲氏が言う。

「東証一部上場銘柄で言えば、欧州での売上比率が高く、さらに今期予想が経常減益の企業は要注意。キヤノン、アシックス、オリンパス、シマノ、パイロットなどが該当します」

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