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中国の「過剰な生産能力」が誘発する世界貿易戦争〜日本の鉄鋼業も巻き添えで大迷惑
各地で高まる保護主義のうねり
〔PHOTO〕iStock

貿易戦争勃発か

保護主義のうねりが高まってきた――。

世界各地で、中国製の鉄鋼製品を狙い撃ちにして、反ダンピング関税(AD)の賦課など「貿易救済措置」の発動を求める調査の開始ラッシュが起きている。

業界団体の調べによると、今年(2016年)初めから6月9日まで5ヵ月強の間に、調査開始件数は25件に達しており、過去最多を記録した昨年(2015年の46件)を上回る勢いだ。

背景には、リーマンショックを挟んで生産能力を大増強した結果、過剰生産設備を抱えた中国による世界各地への鉄鋼製品の輸出拡大問題がある。

貿易救済措置は、世界貿易機関(WTO)の協定で不公正貿易に対する救済手段として認められているものだが、恣意的に運用されれば保護主義と紙一重の危うさがある。

鉄鋼貿易を正常に戻すには、中国の過剰生産能力を圧縮して、市場実勢を無視した廉売を無くす必要がある。

ところが、一昨日(7月10日)閉幕した「上海・20カ国・地域(G20)貿易相会合」で、当の中国がこの問題を議題にすることを頑なに拒む場面があったという。こうした対応は、貿易救済措置の保護主義的な乱用を煽り、通商摩擦や貿易戦争を招くことになりかねない。

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