医療・健康・食 週刊現代
日本の医者が「ムダな薬と手術」をやめられない理由
現役名医が実名で明かす
〔PHOTO〕gettyimages

なぜ日本の医者は「ムダな薬と手術」をやめられないのか? 現役の名医二人、南淵明宏・昭和大学横浜市北部病院循環器センター教授と岡田正彦・新潟大学名誉教授が語り尽くす。

ほとんどの薬は必要ない

南淵 週刊現代の薬と手術の特集は大きな反響があるようですね。

これだけ話題になるということは、それだけ多くの日本人が自分の飲んでいる薬に対して不安に思っているという証拠でしょう。

岡田 びっくりするくらい大量の薬を飲んでいる人もいますからね。うちの施設に入所される高齢者の中にも10種類、20種類という数の薬を飲んでいたという人がいます。

そういう人は、徐々にうちの施設流の処方に切り替えてもらうようにしています。薬の種類はだいたい半分以下になります。それから規則正しい生活やバランスのとれた食事、リハビリなどを行って生活習慣を変えていくとほとんどの薬が必要なくなるんです。

南淵 私の患者さんでも薬を12種類も飲んでいる人がいました。降圧剤、頭痛薬、睡眠薬、抗血小板剤、冠動脈を開く薬にビタミン剤など。本人もどこの病院で何科の医者からもらったかも覚えていない。不整脈の手術をすることになったので、それを機にほとんどの薬をやめてもらった。

そうしたら、それまではパーキンソン病かと思うような歩行困難や認知症状が出ていましたが、すっかり治まってしまった。本人も頭がすっきりしたと言う。こんな話はいくらでもありますよ。

岡田 うちの施設では入所される患者さんやその家族に「生活習慣を変えていきますので、今まで飲んでいた薬はできるだけやめる方向にします」と説明します。

そうすると、9割以上の患者さんや家族たちが、安心して顔がほころぶんです。「これまで病院通いをするたびに薬の量も増えてしまい、とても不安でした。ぜひ、薬を減らせるようにお願いします」と言うんです。

多すぎる薬に対する不信感を抱く患者さんが増えているという時代の流れを感じますね。逆に言うと、医者や病院のほうが薬を出し過ぎなのです。