オリンピック 規制緩和・政策 国際・外交 経済・財政
政府の大号令で進む「ラブホテル改造計画」
2万室の不足を解消せよ!
※写真はイメージです【PHOTO】gettyimages

足りない、足りない、まだ足りない

国税庁が、7月1日、2016年の路線価(主要道路に面した1平方メートル当たりの土地の評価額)を発表、0.2%と小幅ながら全国平均が8年ぶりに上昇に転じた。

なかでも東京が2.9%、大阪が1.0%、京都が0.8%と、大都市が牽引役となっていたが、不動産業者の肌感覚からはかけ離れている。

「都心の商業地は地価が沸騰、物件が出てこない。牽引しているのはホテル用地。原因となっているのは容積率の緩和です。国土庁が、6月、1.5倍までの緩和を認める通達を出したのが大きく、単純に考えても、ホテル用地なら1.5倍となってもおかしくない」(大手不動産会社幹部)

訪日外国人客(インバウンド)を増やし、観光を一大ビジネスとするのは国策である。その起爆剤となるのが、2020年東京オリンピックで、昨年実績約2000万人を4000万人まで増やすのが政府の目標。そうなると圧倒的に不足するのがホテルで、2万室以上足りないのは必至である。

そこで、このインバウンド需要を見越して、あの手この手の供給策を繰り出している。それが容積率の緩和であり、ラブホテルへの改装融資であり、民泊の拡大である。

ホテル建設はラッシュを迎えており、人気の高い銀座では、今年6月までの1年半の間に、7件が新規営業し、さらに10件ものホテルが建設中や計画中。それでもホテル用地は足りないということで、権利関係が複雑で放置されていたような土地が、不動産ブローカーなどが介在して動き始めている。

この銀座の動きは、赤坂、青山、六本木、表参道、渋谷、新宿など人気スポットに伝播、1.5倍どころか従来の倍の取引事例さえ散見される。繰り返し起こる不動産バブルだが、国策としてホテルを増やしているので、加熱を冷ますような規制はかけられない。