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「爆買い観光客」がどれだけ増えても、人口減少に苦しむ地方は救われない

地方はどう変わればいいか?
貞包 英之 プロフィール
〔PHOTO〕gettyimages

急増するアジア内からの訪日外国人

こうした光景を一例として、中国や台湾、ベトナムなどから大量の観光客が訪れ、多くの買い物をしていくことが「爆買い」と呼ばれ、近年、注目を集めている。

たとえば東京の銀座や新宿、大阪や福岡や沖縄の百貨店、家電量販店、ドラッグストアでは、訪日客が毎日訪れ、医薬品や化粧品、菓子や家電をしばしば複数、大量に買って行く姿がみられる。

統計的にも、「爆買い」をおこなう観光客の急増が目立つ。2015年に訪日外国人は、10年前の2005年の627万人を3倍以上上回る1973万人に達した。そもそも1000万人を超えたのが2013年にすぎないことを考慮すれば、政府や観光業界が期待するように、観光客が3000万、4000万人にのぼることも夢ではないと思われる。

この訪日外国人の大半を占めているのが、アジア内からの客である。2015年にはアジア内からの訪日外国人は、1664万人と全体の84.3%を数えた。

なかでも中国からの観光客は2005年の65万人から2015年の499万人にまで急増し、それに続き、韓国(400万人)、台湾(367万人)、香港(152万人)から多くの客がやって来ている(「日本政府観光局(JNTO)」)。

中国を中心とするこれら訪日客の大きな楽しみになっているのが、「買い物」である。たとえば2015年には、中国からの訪日客の94.1%がショッピングをおこない、一人あたり16万9260円を費やした。

金額では、ベトナム(8万4471円)、香港(7万2865円)、台湾(6万1368円)がそれに続くが、いわゆる先進国のアメリカ、ドイツからの旅行者のショッピング経験率が5割程に留まり、購入額もそれぞれ3万6112円、3万182円にすぎないことと較べれば、中国を中心としたアジア内の訪日客は消費に貪欲であるといってよい(観光庁「訪日外国人消費動向調査」)。