地震・原発・災害 政治政策
【深層レポート】政府内で密かに進められる「もんじゅ廃炉論」と「新型高速炉」建設計画
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巨大なカネ食い虫

消費した以上のプルトニウムを生み出すとして、エネルギーの自給自足につながる「夢の原子炉」と期待された高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)が、風前のともしびとなっている。

これまで1兆円以上の国費が投入されながら、トラブル続きで運転実績がほとんどない。それでも維持費として年間約200億円が計上され、毎日5000万円を浪費し続けるという巨大な〝カネ食い虫〟となってしまった。

そうした中、国の原子力規制委員会は昨年11月、もんじゅの運営組織を現行の日本原子力研究開発機構(原子力機構)から変更するよう、管轄の文部科学省へ勧告を行った。何ら将来像を描けないまま、ばく大な費用だけがかかっている状態に規制委がしびれを切らした格好だが、文科省は期限とされた半年を過ぎても新たな運営組織を特定するに至っていない。

活路の見出せないもんじゅに対する世論の目は厳しく、政府内からも「廃炉やむなし」といった声がくすぶり続けている。

「トンデモ検討会」

5月20日、文科省3階にある大型の会議室。規制委の勧告を受けて昨年12月に発足した有識者会議「もんじゅの在り方に関する検討会」の8回目となる会合が開かれていた。

この日の検討会は、それまでの議論を踏まえた報告書をとりまとめ、最終回となる予定で、傍聴席には多くの報道陣が詰めかけていた。だが、会議に出席していた馳浩文科相が、さらにもう一度会合を開催することを提案し、検討会の座長を務める有馬朗人元文相も同意をすると、報道陣からはため息が漏れた。

検討会の目的は、規制委が「宿題」として突き付けた新たな運営組織を議論することだった。しかし、議論は大半の時間が過去の問題整理に費やされ、具体的な運営組織について話し合われることはなかった。

原子力機構の幹部は提出された資料を棒読みするだけで、問題の当事者であるという意識は感じられないまま。検討会の委員を務める大手新聞社の論説委員からは、規制委の勧告自体に疑問を呈する意見が出される始末で、まさに「トンデモ検討会」といった様相を呈していた。

当然ながら、新たな運営主体など示せるはずもなく、報告書には「経営協議体の設置」「構成員の半数以上は原子力以外の分野の外部専門家とする」といった要件のみが記される方向だった。

有馬座長は、運営組織の選定は「政治判断に任せる」と事実上放棄しており、何ら内容に新味のない報告書が厳しい批判にさられるのは目に見えていた。文科省の事務方によって、A4で16枚の報告書案はすでに作成されていたが、5月20日の会合で委員からいくつかの意見が出たことを理由に、とりまとめは次回に持ち越されたのだった。