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英EU離脱問題の「死角」
〜懸念されるのは、むしろユーロ圏の「バブル崩壊」だ

あらわになる大陸ヨーロッパの脆弱性
〔PHOTO〕gettyimages

まさかの「離脱派」勝利

6月24日(現地時間は6月23日)に実施されたイギリスのEU離脱を巡る国民投票の結果は、事前の予想に反して離脱派の勝利となった。

ただ、あとから考えてみると不思議なことだが、当初は誰もが、さしたる根拠もなく、残留派の勝利を信じて疑わなかった。

強いて挙げるとすれば、投票の前日時点で、「賭け事サイト」で残留に賭ける人が全体の約9割を占め、離脱派を圧倒していたことくらいだったが、「お金を賭けた真剣勝負」のオッズなら信頼できるのであれば、競馬で万馬券が出るということもないはずだ。

いかに多くの人が根拠なく残留という楽観論を信じていたかということだが、いくつかの現地メディアによる世論調査の結果がまちまちであったので、「結果は蓋をあけてみなければわからない」というのが冷静な判断だったと思われる。

いずれにせよ、投票終了後の現地メディアも、なぜか、「残留派が過半数を獲得した模様」と報じていた。

ところが、開票作業が進むにつれ、状況は一変していった。開票は、残留派が多数を占めると予想されていた北部から始まったが、残留派の票はなかなか伸びず、当初から離脱派がリードする展開となった。

途中、残留派がリードする局面もあったが、すぐに離脱派が逆転し、そのまま差が徐々に拡大、日本時間の昼過ぎには、離脱派の勝利がほぼ確定した。

ところで、どうも世間では、「離脱賛成派は知的レベルが低い」という扱いのようだ。ちなみに、先週の当コラムでも言及したように、筆者はイギリスのEU離脱には比較的好意的なので、やはり知的レベルが低いのかもしれない(「イギリス"EU離脱"の損得勘定~経済的デメリットはむしろEU側にある」http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48985)。