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野口悠紀雄が実践した「究極の文章法」〜スマホ「音声入力」で本を書き上げた!
これが未来の当たり前だ

「メモ」こそすべて

―本書は、野口さんがスマートフォンの音声入力機能を使って書き上げた初めての本です。話すと同時に文字に変換してくれる。こんな実用的な音声入力機能を、ご自身も何十年と待ち望んでいたそうですね。

カエサルは『ガリア戦記』を馬上で口述筆記させたと言われています。書くのでなく、話すことが、人間にとって一番自然な方法です。けれども、これを技術的に実現するのは難しかった。人の話し言葉は曖昧で、コンピュータはこういったものを認識するのが最も不得意だったんですね。ところが、人工知能の登場によって、わずか1、2年の間に急激な進歩が生じました。

野口悠紀雄氏

―文章を書くスピードが、キーボード入力に比べて約10倍になった。

音声入力はまだ誤変換も多く、そのまま使えるわけではありません。ただし、そもそも人間は書きたいことをスラスラ話せるわけではない。

注目すべきは、メモを簡単に取れるようになったことです。メモを取ることは、知的活動の基礎であり、私のように文章を書く人間にとっては、文章を構成する内容を記録するという点で、極めて大切なことです。

「こんな重要なことなら明日まで忘れないだろう」と思えることも、人間はきれいに忘れてしまう。人間の脳は、短期記憶の保持について、極めて能力が低いのです。

だからメモが重要になる。ところが、メモは紙とペンが必要です。そして紙のメモというのは、紛失する危険が極めて高い。ところが、今では、何かを思いつけば、スマートフォンに音声を入力するだけでメモが取れてしまう。しかも、なくしてしまうこともない。