ライフ

“誰がやっても同じ”仕事をしないために〜新時代の変革者たちに学ぶ、未来をつくる「5つの法則」

瀧本 哲史

現在進行形の未来に備えよう

ここでひとつ、問題を出そう。

このまま「安い人が選ばれる時代」が進んでいった場合、最終的に選ばれるのはどんな人たちだろう?

アジアの人たちよりも安く働いてくれる、アフリカの人?

ボランティアで働く人?

……正解は、「ロボット」だ。

24時間、ひと言の文句も言わずに働いて、風邪で休んだり、寝坊したりすることもない。しかも人間のような育成期間もいらず、雇った(導入した)その日から即戦力として働いてくれる。当然、給料はゼロ。こんなにありがたい「社員」はいないだろう。

ロボットと聞くとオーバーに聞こえるかもしれないが、すでにさまざまなところで「人間から機械へ」の流れは進んでいる。

たとえば数十年前まで、駅の改札には「きっぷ切り」と呼ばれる駅員さんたちが立っていた。乗客が駅員さんにきっぷを手渡すと、駅員さんは専用のハサミできっぷに切れ目を入れる。「このきっぷは本物ですよ。駅員さんのいる改札を通過しましたよ」という印だ。

そして目的の駅に着いたとき、乗客は再び改札の駅員さんにきっぷを手渡す。駅員さんはきっぷに書かれた駅名や金額を目で確認し、乗客を改札の外に通すわけだ。

この面倒な作業も、すべて「自動改札機」が代行してくれるようになった。

いまではSuica(JR東日本)やICOCA(JR西日本)などのICカード乗車券、さらには携帯電話の「おサイフケータイ」機能などによって、きっぷを買わなくても電車の乗り降りができるようになっている。

ここから、きみたちのなかには「駅員さんたちも、面倒な仕事から解放されてよかったな」と思う人もいるかもしれない。

でも、これは「機械に仕事を奪われた」ということでもあるのだ。それまで駅員さんたちは、その卓越した「きっぷ切り」の技術で大量の乗降客をさばき、日本の通勤・通学ラッシュを支えてきた。しかし、彼らの技術や正確性も、自動改札機にはかなわない。仕事を奪われた彼らは、クビを言い渡される可能性だって出てくるだろう。

新生・ブルーバックス誕生!