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ドイツと中国の"蜜月"に走り始めた亀裂〜メルケル首相が見せた冷徹な手のひら返し
記者会見で首脳同士が激しく応酬
〔PHOTO〕gettyimages

これまでで一番困難な訪中

6月12日、メルケル首相が南京の中国科学院大学の名誉博士号を授かった。授与式は北京で行われ、赤と黒のマントを着たメルケル首相が、同じくマント姿の学長(?)と並んだツーショットが、ドイツのニュースで派手に流れた(メルケル首相は博士帽を被ることだけは強硬に拒否したとか)。

博士号授与の理由は、メルケル氏の「決然とした意思と英知による世界平和への貢献と、彼女が実践してきた実務的な中国外交」を讃えるものであるという。

しかしながら、ケチをつけるわけではないが、はっきり言って、今、世界平和は第二次世界大戦以後最大の危機に陥っている。また、「実務的な中国外交」というのは、ドイツが中国の人権問題などに口を挟まず、商売第一でやってきたということだ。これを中国に褒められたからといって、さして自慢できることでもないだろう。

ドイツと中国は2011年に二国間政府サミットの協定を結んで以来、首脳や閣僚が定期的に差し向かいで協議をしてきた。今回も、両国合わせて30人近い大臣、副大臣などが顔を合わせたという。

もちろん産業界の大物も必ず同伴して、大型商談をまとめる。メルケル首相の今回の訪中は、就任以来9回目。ちなみに、その間のメルケル首相の訪日はたったの3回だ(うち2回はサミット)。

ただ、今回の北京での3日間は、これまでで一番難しかった訪中と言われている。まず第1日目、これも戦略的なのだろうが、メルケル首相は名誉博士号を受けた後の記念講演で、中国人学生を相手にかなり明確に中国政府批判を展開した。

「創造は、自由と、世界への門戸開放の雰囲気の中でのみ成就する」などと聞けば、それが政治を指していることは誰の耳にも明らかだ。これまで商売繁盛という大義名分の下で、異常なまでに友好的に保たれてきた独中関係だったから、中国政府はかなり慌てたのではないだろうか。

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