医療・健康・食 週刊現代
現役医師が明かす「内視鏡・腹腔鏡手術」、そして「全身麻酔」の意外なリスク
自分の身は自分しか守れない
〔photo〕gettyimages

ヘタな医者に殺される

東京ハートセンターのセンター長で心臓外科医の南淵明宏氏が語る。

「医者というものは、新しい技術や道具、装置などが開発されると使ってみたくなる性分の人が多いのは事実だと思います。

ただ、残念なことは、患者のためでなく、自分の実績を積むために、どんどん手術をして新しい技術を試したいと考える悪い医者も少なからずいるということ。それが無駄な手術に繋がっているとも言えます」

医者にとっては「自分の名誉が一番で、患者は二の次」——。たとえば大腸がんの場合は従来通り腹部をメスで開く「開腹手術」が一般的で安全だが、トレンドに乗って内視鏡手術や腹腔鏡手術をやりたがる医者が増えているのが、その一例だ。

しかも若い医者に実績を積ませるため、患者が望んでもいないのに、わざわざ内視鏡で盲腸の手術をする病院も少なくないというから驚きだ。

医者たちは「内視鏡や腹腔鏡手術なら、傷も小さく、体の負担も少なくて済む」と声高に喧伝するが、そこには当然リスクもある。

「内視鏡や腹腔鏡手術の最中に血管を傷つけると生命の危機に関わります。開腹手術なら止血処理ができますが、腹腔鏡だとそうはいかない。体内に血液が漏れ出し、急性腹膜炎を起こし死に至るケースもある。個人の技量による部分が大きいので、実績のない医者の場合は非常に危ない。

にもかかわらず、病院側が腹腔鏡手術などをすすめるのは、保険点数が高く、高額な医療費を請求できるから。病院側にとっても非常に『おいしくて、やりたい手術』なんです」(医療コンサルタント)

昨年、群馬大学病院では、一人の外科医が18人もの患者を手術ミスで死亡させていたことが判明(腹腔鏡手術で8人、開腹手術で10人)。病院側もその医師が力量不足と分かっていたにもかかわらず、難しい手術をやらせ続けていたのだから、開いた口が塞がらない。