企業・経営 医療・健康・食 週刊現代
マッキンゼー出身のエリートが泥まみれで挑む新たな「食」ビジネス
オイシックス・髙島宏平社長に聞く
〔PHOTO〕iStock

有機野菜や無添加食品の通販を行い、「食」への意識が高い層から支持を受けるオイシックスを取材した。髙島宏平社長(42歳)は東京大学大学院を修了後、マッキンゼー・アンド・カンパニーでコンサルタントとして活躍したエリート。しかし彼は「頭で考えるビジネスと現実はまったく違った」と事業の軌跡を振り返る。

(取材・文/夏目幸明)

前例がないのは面白い!

みんな

起業のきっかけは、大学院時代、インターネットが世の中を変えていく可能性を感じて「自分なら何を変えるだろう」と考えたこと。

最初に「どうせなら〝衣食住〟というすべての人が関わる分野で起業を」と考えました。インパクトが大きいほうがいいですからね。

なかでも「食」を選んだのは「安全・安心な食材を手軽に食べたい」という、あらゆる人が持つニーズを満たすサービスがなかったから。前例がないのも面白いと感じた要因です。米国で当社と同じビジネスモデルを探したら、失敗事例しかなかった。そこで「自分で市場を創造しよう!」と。

20円

'00年に当社を設立すると「このビジネスは難しいから誰もやらなかったのだ」と痛感させられました。

運搬中に果物が割れ、野菜は出荷すべき時期になっても収穫できず、やっと200円の大根をお客様の元へ無事お届けしても、利益は20円にも満たなかった(苦笑)。ところが不思議と「やめよう」と考えたことは一度もなく「うまくいくまでには、いろいろあるよな」と思っていました。

今思えば、仕事で最も大切なことは「うまくいく」と信じることでした。自分が未来を信じきっていないと、辛い時にくじけてしまうし、周囲を説得できず、人が協力してくれません。

あるべき未来を考え抜き、実現を確信できれば、仕事は半分終わったようなもの。逆に、確信が持てなければ何もしないほうがマシなのかもしれません。