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日本の自動車産業がテスラに大敗北を喫する日~排ガス規制で、世界のパラダイムが変わった
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中国からも遅れをとっている

舛添要一東京都知事の一連の政治資金騒動に時間をとられ、告示間近の参議院選挙の争点についての報道がほとんどない。とりわけ、「アベノミクス」の第三の矢、すなわち「成長戦略」が欠如しているという問題は、まったく議論されていない。

しかも、日本経済の屋台骨である自動車産業でさえ、ライバル各国に取り残されようとしていることを、ご存知だろうか。

いま、世界の自動車メーカーは、熾烈なZEV(排気ガスのない無公害車)開発競争を繰り広げている。それを動かすのが、自動車販売台数世界1、2位の中国(約2500万台)とアメリカ(約1750万台)の高度な排ガス規制作戦だ。

全米最大の自動車市場であるカリフォルニア州など全米10州では、各メーカーに新車販売台数の一定割合をEV(電気自動車)などのZEVとするように義務付けている。

目標をクリアできなかった自動車メーカーは罰金を払うか、目標を超過達成したメーカーから「ZEV排出枠」を購入しなければならない。しかも、トヨタのプリウスに代表されるHV(ハイブリッド車)は、「遅れた技術」として'18年の新規制よりZEVの対象から外される。

米テスラモーターズの新型EV「モデル3」の発売はこの新規制開始前年の'17年末だが、発表直後に約40万台もの予約が殺到した。ZEVの購入には国と州の合計で1万ドル(約107万円)の助成金が出るからだ。

中国も'17年から欧州並みの排ガス規制を導入する。ZEV購入者に最大5・5万元(約90万円)の助成金を出し、'15年にはすでに世界一のEV大国(約19万台)になっている。ここでも、HVは助成対象から外れ、電気自動車が主流になる。