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舛添氏を辞任に追いやった、テレビメディアの「底力」~そして怒りは全国に広がった
前代未聞「レポーター主導」の辞職劇
〔PHOTO〕gettyimages

舛添氏はキラーコンテンツだった

前東京都知事・舛添要一のクビを取ったのは煎じ詰めれば、テレビ局の番組レポーターだった。

テレビの報道内容がこれまでも政治の動きに大きな影響を与えてきたのは周知の事実だ。だが、今回の辞職劇では、毎週金曜日午後2時から開かれている都知事の定例記者会見に、各局のレポーターが出席。競うようにして、私たちなら言葉を選んでしまうような質問を舛添に次々とぶつけた。

この時間帯で生放送している日本(読売)テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」、フジテレビ系「直撃LIVE グッディ!」、TBS系「ゴゴスマ GOGO!Smile!」の3番組が記者会見の模様をたびたび生中継した。

レポーター主導の辞職劇は、私の政治取材37年間でなかったことだ。テレビ局の方が質問しても、それは報道局に所属している記者だった。今回は芸能人の記者会見のようにレポーターが質問し、弁が立つ舛添との間で丁々発止のやりとりを演じた。その中で面白い部分が繰り返し放送された。

各番組が舛添の公私混同疑惑を繰り返し、何度も伝えたのは視聴率が取れたからだ。舛添を取り上げれば視聴率が上昇し、取り上げなければ下がる――。この結果、各番組とも舛添問題を頻繁に取り上げるようになった。

一例を挙げる。昼の時間帯は夜のゴールデン、朝に次いで視聴率を奪い合う激戦区だ。この時間帯では、舛添問題が起きるまでTBS系「ひるおび!」と日テレ系「ヒルナンデス!」が互角の視聴率争いを続けてきた。

しかし、「ひるおび!」が舛添問題に時間を割くようになった5月連休明け以降、「ヒルナンデス!」に少なくとも1ポイント弱、多い時には3ポイント以上の差を付けた。もちろん、ミヤネ屋、グッディ、ゴゴスマの視聴率も2%程度上がった。

「舛添さんは強力なコンテンツだ。1ヵ月以上にわたって視聴率が取れる素材は過去に類を見ない。元兵庫県議の野々村竜太郎の号泣会見(2014年7月1日)も繰り返し放送されたが、映像はこの一つだけで長続きしなかった」

テレビ局関係者はこう語る。これに対し、舛添は律儀に記者会見を続け、レポーター、記者の質問に内容はともあれ、答えた。しかし、初動から間違っていた。

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