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イギリスがEUを離脱したら、日本経済への影響は「リーマン級」!? そのインパクトを試算してみた
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イギリスと欧州大陸、こんなに違う

いよいよイギリスのEU離脱投票が6月23日に行われる。

イギリスはビートルズの国だ。筆者のように、ビートルズ世代には、英国のEU離脱で、人々の「ヘルプ!」 ("Help!"1965年7月発売)が聞こえてくるが、「きっとうまくいくさ」("We Can Work It Out"1965年12月発売)という曲もある。

英国の離脱の動きに対して、欧州連合(EU)はイギリスが求めていたEU改革案に合意した。

もともとイギリスは改革案をEUに飲ませるために、離脱案を使ってきたといわれる。改革案によって、EUはイギリス国民を説得し残留させることができるのか、それともやはり離脱するのか。各種の世論調査は拮抗しており、最終的にどうなるのかは予断を許さない。16日には残留派の女性下院議員が殺害されたが、これがどう影響するのか。

イギリスのEU離脱問題はブレキジット(Brexit)と呼ばれている。これはBritain(英国)とExit(退出する)を組み合わせた造語。最近イギリスでは使わない日はないが、1975年、イギリスはEUの前身である欧州経済共同体(EEC)からの離脱について国民投票を実施したこともあった。

実は、イギリスと欧州大陸は海で隔てている以上に、心理的な距離は大きい。

まず、車の通行であるが、イギリスは左側、欧州大陸は右側だ。

次に、法体系。英米法系と大陸法系との違いである。英米法系では判例法主義で、裁判所の判例が優先するが、大陸法系は成文法主義で、議会(政府)が作る制定法が規範となる。

こうした法体系の違いは、イギリスでは司法が行政に優位するが、欧州大陸では行政優位の法運用体制がとられているというところにあらわれている。

イギリスの官僚機構はそれほど強くなく、自由な競争社会がいいという風土だ。一方、欧州大陸では、EUの巨大な公務員組織が跋扈し、日本以上の役人天国ともいわれている。

イギリスは、先進国の中でも、産業や労働規制の少ない国であるが、EUに加盟していると、EU内で決められたルールは域内に適用しなければならず、イギリスだけ例外扱いはできない。

イギリスは、ユーロに参加せず、独自の金融政策によって、欧州大陸よりいい経済パフォーマンスを享受した自負がある。法規制も独自のものにこだわる。

また、イギリスはドイツと同様に各国から移民が大量に流入している。イギリス国内の一部からはこれを制限すべきだとの声が上がり、これもEUからの離脱を推す声のひとつとなっている。

ただしイギリスは、ヨーロッパの国家間において国境検査なしで国境を越えることを許可する「シェンゲン協定」に入っていないので、実際には国境検査が可能である。

ユーロ圏でもシェンゲン圏でもないイギリスは、いいとこ取りの国である。EUに加盟していることで数々のメリットもあるのに、それでも離脱派が優勢、ということが問題なのだ。

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