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イギリス「EU離脱」なら、円高はまだまだ進む
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16日、為替市場で一時、1ドル=103円半ばまで円高が進んだ。これは2014年8月以来の円高だ。

こうした円高進行の背景には、英国のEU離脱をめぐる懸念や、日米の金融政策の現状維持が決定されたことなどがある。特に、日銀の現状維持決定について、金融市場の一部では「市場参加者の失望を買った」との指摘もある。

ただ、円の急伸は主に海外要因に影響されているとみるべきだ。6月に入り、ヘッジファンドなどは、先行きのリスクを避けるために円を買い戻してきた。彼らの動きを後押ししているのは、何と言っても世界経済の先行き不透明感が増していることだ。それが、投資家のリスクオフを加速している。

英国EU離脱と円高の関係

足許の円高は、英国のEU離脱(Brexit、ブレグジット)懸念と、ハト派な印象を残した米連邦公開市場委員会(FOMC)が大きな要因になっている。それに加えて、“日銀に対する失望”が円買いを誘発したとの見方もある。

しかし、追加緩和への期待はさほど高くなかった。失望が円高の主因とは考え難い。

むしろ海外市場で、リスク回避によるドル売り圧力が高まっていることに注意すべきだ。5月中旬以降、米国の利上げ期待の高まりを受けて、ヘッジファンドなどは年初来の円買いポジション(持ち高)を減らし、ドル買い・円売りに転じた。しかし、6月に入ると再度、投機筋は再びドル売り・円買いに動いている。

リスク回避の背景にあるのが、ブレグジットへの懸念だ。6月中旬以降、世論調査などでは、EU離脱への支持が増えている。これが、先行きへの懸念を高めキャリートレードの巻き戻しを引き起こしている。つまり、資金調達通貨として使われた円の買い戻しが進んでいる。

また、6月のFOMCでは、労働市場の改善ペースが鈍化しているとの見方が示され、2017年以降の政策金利見通しも下方修正された。2016年内にFRBは2度の利上げを想定しているようだが、市場では年内の利上げは困難との見方が増えている。これがドル売りにつながっている。