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「健康食品」にダマされるな!その科学的根拠に関する「驚きの実態」
髙橋久仁子『「健康食品」ウソ・ホント』
〔PHOTO〕iStock


その“科学的根拠”、信じていいですか?

「脂肪の吸収を抑え、排出を増加させる」トクホコーラ。

「10分のジョギングと同じ消費カロリー効果がある」高濃度茶カテキン飲料。

「体に脂肪がつきにくい」中鎖脂肪酸を含む食用油。

「腸内フローラを良好にし、便通を改善する」ビフィズス菌配合サプリメント……。

国の制度によって「効能・効果」を大々的にアピールするトクホや機能性表示食品などの「保健機能食品」。“根拠”とされる論文を解読してわかった驚きの実態とは? 誇張された宣伝文句を“誤読”しないためのヒントも満載。本文は実名表記です。

はじめに

食品というものは本来、私たちにおいしさと栄養素を提供してくれるものであり、これが最も重要な役割です。

しかし、昨今の世の中には、食品に対する「機能性幻想」が蔓延しています。食品中に含まれる、栄養素ではないけれど、病気の予防や健康維持に有効ではないかと類推される物質が「機能性成分」としてもてはやされ、それを摂取すれば、容易に健康が得られるかのような〝錯覚〟です。

この機能性成分が配合され、健康に対するなんらかの「良い効果」を期待して経口的に摂取する商品を「健康食品」と総称しています。錠剤やカプセル等の商品を「サプリメント」とよびわける風潮もありますが、すべてまとめて「健康食品」です。

食の醍醐味の一つである味についてはほとんど論じられることのないそれらを「食品」の範疇に含めていいのかという単純な疑問はさておき、新聞・雑誌、インターネット、テレビ等を介して莫大な量の広告が流されています。

「健康食品」は、表向きはあくまでも「食品」なので、それを利用することでどのような「良いこと」がもたらされるのかについて明記することはできません。そこで、「行間を読ませる」手法が暗躍しています。

すなわち、決定的なことは何も書いていないのに、なんとなくそういう「効果」があるようだと消費者に印象づける宣伝手段です。「若々しくありたい方に○○を」と書いてあるだけなのに「○○で若々しくなれる」と思ってしまう、「△△を減量のおともに」とあれば「△△で減量できる」と解釈してしまうのは、まさに行間を読まされているからです。