環境・エネルギー ブルーバックス
想像を絶する恒星の「生きざま」~天体物理学がその解明に挑んだ
鳴沢真也『へんな星たち』
〔PHOTO〕iStock


なんでそんな姿に?
なんでそんなふるまいを?

夜空に瞬く恒星は、どれも小さな点にしか見えない。だがじつは、どいつもこいつもとんでもない!

星とは思えぬ異様な姿、奇想天外なふるまい……はるか遠くの彼らの想像を絶する「生きざま」が、いま観測技術と天体物理学の進歩によって、少しずつ明らかになってきている。恒星のプロフェッショナル厳選、10個のへんな星たちに驚き笑い呆れながら、星の物理を学べる本。

はじめに

「キャー!」

標高435mの大撫山(おおなでさん)の山頂に、黄色い声が響きます。

「うしかい(牛飼い)座のアークトゥルスと、おとめ座のスピカ、日本ではこの二つは“めおと星”とよばれています」

と私がいったときに、若い女性客らが発したのです。

兵庫県立大学に所属する西はりま天文台は、兵庫県南西部の佐用町大撫山にあります。日本国内最大の2m光学望遠鏡「なゆた」はここで、夜の9時までは一般の方に向けた天体観望会をしています。このように公開されている望遠鏡という条件をつければ、「なゆた」は世界最大のものです。

「なゆた」での天体観望のあとは、屋外に出ての星座解説です。いわば天然の星空でのプラネタリウム(業界用語では天プラといっています)。これも、ここに20年以上勤めている私のお得意の時間です。