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働かないのは憲法違反なの!?
産業革命以降の労働観、その「大前提」が変わり始めた

〔photo〕gettyimages

働かないのは憲法違反?

そもそも「働く」とは何なのか。人は何のために「働く」のか――。

著者もメンバーのひとりとして参加している20年後の働き方を考える厚生労働省の懇談会、「『働き方の未来2035:一人ひとりが輝くために』懇談会」では、そんな、そもそも論に火がついた。ついたというより、労働政策の素人である筆者が質問を投げかけたのをきっかけに議論になったのである。

働くということに関して日本の法律はどう定めているのかを調べてみた。国の最高法規である憲法にも、「勤労」つまり働くことについての規定がある。

「すべての国民は、勤労の権利を有し、義務を負う」

そう憲法27条には書かれている。さらに第2項には「賃金、就業時間、休息その他の労働条件に関する基準は、法律でこれを定める」とあり、第3項には「児童は、これを酷使してはならない」とある。

他にも、「奴隷的拘束の禁止」(18条)や「職業選択の自由」(22条)、「勤労者の団結権、団体交渉権」(28条)などが定められている。

おおむね理解できるのだが、ひとつだけどうしても気になった点がある。27条に書かれている「すべての国民は、勤労の権利を有し、義務を負う」という規定だ。

「勤労の権利」は分かるとして「義務を負う」というのはどういう意味か。働かないで遊んで暮らすのは憲法違反ということなのだろうか。