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疲れているのは体じゃなくて「脳」だった! 最新科学が明かした疲労の正体、そして寿命の意味
通説をひっくり返す興奮の科学書3冊
〔PHOTO〕gettyimages

「疲労」の原因は脳にある

ダイエットを目的に1年半ほど前から乗り始めたロードバイクだが、近所を1人で走り回っているだけではだんだん物足りなくなってきた。

というわけで、このところ、立て続けにエンデューロ(サーキットを自転車で走る耐久レース)やヒルクライム大会(自転車での山登り)に参加していたものだから、さすがに疲れ気味だ。

仕事や運動によって私たちが感じる疲労の原因は脳にある、つまり、疲れているのは体ではなくて脳なのだ、というユニークな研究成果を紹介しているのがすべての疲労は脳が原因である。

過労死という言葉を耳にするようになってから久しいが、英語圏でもそのまま「KAROSHI」と呼ばれているほど、日本は「疲労大国」のようだ。にもかかわらず、疲労のメカニズムが科学的に解明されたのは、ごく最近になってのことだという。

2003年に産官学連携でスタートした「疲労定量化及び抗疲労食薬開発プロジェクト」の統括責任者を務めた著者は、本書において、たとえば、運動でのストレス発散が疲労回復にはよいだとか、乳酸が疲労の原因物質などといった、これまでありがちだった私たちの誤った理解や認識を、1つ1つ丁寧に是正している。

最近になってよく耳にするようになった「活性酸素」こそが細胞に酸化ストレスを与える疲労の原因物質ではあるものの、本書によれば、筋肉ではなく脳の神経細胞がダメージを受けることで私たちは「疲労感」を覚えるのであり、それが大きな問題だとのこと。

活性酸素についてはある程度理解しているつもりになっていたのだが、そこまでは知らなかった。慢性的な疲労感に悩まされがちな現代人にとって、必読の書と言えそうだ。