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参院選の争点から消えた「原発問題」〜たった5年で大事故は“なかったこと”に…
あの恐怖を忘れたのか
〔PHOTO〕gettyimages

風化のスパイラルに陥っている

7月10日に行われる参議院選挙。民意を問う貴重な機会だが、そこで争点から外されようとしている重要なテーマがある。

今回の選挙で国民が重視する政策分野は何か。6月6日の朝日新聞デジタルでは、参院選で重視する政策を選択肢から2つ選ぶ世論調査の結果を報じた。

答えには、「医療・年金などの社会保障」53%を筆頭に、「景気・雇用対策」45%、「子育て支援」33%、「消費税の引き上げ延期」23%と経済・生活関連分野が並んだ。市民連合などが最も重視し、野党共闘の結節点となっている「安全保障関連法」は17%、次いで「憲法」10%、「外交」9%といずれも関心度は低い。

しかし、私が驚いたのは、この調査の「結果」ではなく、「質問」のほうだ。並べられた7つの選択肢の中に、「原発政策」がない。3・11の福島の事故からわずか5年で、朝日新聞は「原発は参院選の争点ではない」と考えたのだ。

このところ、マスコミは重要な原発関連のニュースをスルーしたり、形ばかりの小さな扱いで終わらせることが多い。特にテレビ局は顕著だ。スポンサーを意識しているのだろうが、それが続くと国民の関心も徐々に弱まる。国民の関心が低くなれば、新聞も扱いを小さくする。そして、国民の関心はさらに下がる。

このスパイラルが続き、ついに、「原発」は世論調査の選択肢から消えた。選挙の争点にすらならず、「原発推進・容認」が当たり前の世の中になって行くのだろうか。