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牛丼チェーン「戦国時代」崩壊と繁栄のドラマ〜値下げ戦争、狂牛病ショック、ワンオペ…
イラスト: サカモトトシカズ


文/村瀬秀信(ライター)

世の中に"牛丼"を広く定着させた吉野家

時は平成。世は牛丼、戦国時代――。

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。牛丼一筋300年、早いの美味いの安いの。

かつて吉野家が天下を戴いた牛丼チェーンの世も今は昔。90年代、バブル崩壊により、世は外食デフレ化、値下げ合戦と乱れに乱れ、英雄たちがきら星の如く誕生し、覇を競っては散っていった。

そうして確立された現在の牛丼チェーン界の趨勢は、今も尚、天下を三分しての長い戦いの中にある。

まずは創業1899年。牛丼界の始祖であり、世の中に"牛丼"を広く定着させ、王朝を築いた吉野家。しかし、そんな吉野家も1980年、無秩序な出店計画で領土拡大を図ると、味を落としてしまい115億円の負債を抱えて会社更生法の適用を申請し、一度は倒産。その後、中興の祖となったセゾンの支援もあって復活。現在は国内約1200店、海外約700店と飛躍している。

吉野家の主役は、何はなくとも牛丼だ。ここのメインは「米国産牛肉」「玉ねぎ」「白ワインをベースとしたタレ」の三兄弟。「我ら3人、生まれた日は違えど願わくは同じ鍋に入らん」と、血盟の契りを交わし、どんな困難があろうとも、牛丼界に入魂の一杯を提供し続けている。