上限金利を29%から20%に引き下げ、貸付総額を年収の3分の1までとする総量規制を定めた改正貸金業法が、4月20日、閣議決定、6月18日に完全施行されることになった。
予想されるのは「サラ金難民」の急増だ。29%から20%までのグレーゾーン金利で収益を確保していた消費者ローン各社は、収益力を悪化させたうえ、過払い金返還請求の処理に追われて貸出を急速に絞った。それでも約1200万人の顧客を抱えている。

業界団体の調べでは、そのうち約半数が今回の総量規制に抵触、新規借り入れができない。消費者ローン各社から弾き出された約600万人が、借入先を求めてさまよう。これが「サラ金難民」である。
改正貸金業法は、多重債務者問題に取り組む「反サラ金」の弁護士集団が、長い闘いの末、政治家を巻き込んで成立させたものだ。
その先頭に立ったのが、このほど日本弁護士連合会の会長に就任した宇都宮健児弁護士。
宇都宮氏は、自著『弁護士冥利』(東海教育研究所)のなかで、改正貸金業法成立の2006年12月13日は、「弁護士生活35年の最良の日」と、書いている。
クレジット・サラ金問題に取り組んできた弁護士集団の苦労は、察するに余りある。また多額の借金により、多重債務者が苦しんでいるのも事実だ。改正貸金業法の成立は、確かに安易な貸し付けによるサラ金被害者、多重債務者を防ぐ効果がある。
しかし、「貸さない親切」だけで多重債務者が救済され、万事オッケーかといえば、それは違う。
「レンタル時計店」という名前のヤミ金
6月18日にどこからも借入ができない600万人の「サラ金難民」が、突如、出現した時、受け皿はどこにもない。親戚や友人知人に頼るのが第一歩だが、一巡すれば、借り先に困る。登場するのがヤミ金である。
ヤミ金といえば、トイチ(10日で1割)やトサン(10日で3割)といった暴力団系金融の世界がすぐに想起されるが、2003年に施行された「ヤミ金対策法」によって、そうした法外なヤミ金は急減した。また、ひとりの債務者を、仲間内で転がして、しゃぶり尽くす「システム金融」も姿を消した。
だが、600万人もの"カモ"を前に、暴力団系金融は間違いなく復活するだろう。それを象徴するように、携帯電話を不正貸与するレンタル会社が増えている。身分確認をせずに携帯電話を貸すのは、携帯電話不正利用防止法違反である。だが高いレンタル料を提示されて、落ちてしまう業者は少なくない。
3月に摘発されたモバイルカンパニー事件では、ヤミ金からの「身分確認には応じられないがそれでもいいか」という問い合わせに、「どんな事情でも、うちは携帯を準備できます」と、答える同社の確信犯ぶりが明らかになった。その背景には、規制強化をビジネスチャンスと捉える、携帯を受付として利用した090金融の隆盛がある。
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