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新聞・テレビよ、少しは週刊誌に敬意を払いなさい~舛添問題を自分の手柄のように報じるメディアへの違和感
〔PHOTO〕gettyimages

朝・毎・産は1面で文春に言及、日経は完全無視

週刊誌が調査報道のスクープを放つと、新聞やテレビなど主要メディアは「一部週刊誌によると」などとして追い掛ける。「一部週刊誌によると」はまだいいほうで、「~ということが分かった」と伝えるだけで、あたかも自社の特ダネのように扱う。

これが長い間日本の報道界で続いてきた悪しき慣行である。報道倫理が高い欧米ではまず見られない日本独特の慣行でもある。だが、状況は徐々に改善しつつあるのかもしれない。他社のスクープであるという事実を明示するケースも目立つようになってきたのだ。

直近では舛添要一都知事の政治資金疑惑などをめぐる報道だ。疑惑が明らかになったきっかけを聞かれれば、週刊文春のスクープと言い当てる人は多いのではないか。

私が非常勤講師を務める早稲田大学大学院ジャーナリズムスクールでもそうだった。7日の講義で「きっかけは何か?」と聞いたところ、8人の院生の多くはすぐに「週刊文春のスクープ」と答えた。

それもそのはず、週刊文春は年明け以降、大型スクープを連発しており、舛添知事問題でも5月5日・12日合併号から毎号連続で特集を組んでいる。それだけではない。追い掛ける全国紙など主要メディアの多くも、報道の際には「週刊文春が報じた」などと言及している。これが「週刊文春のスクープ」を一般に認知させるのに一役買っている可能性もある。

5月11日以降の新聞報道を点検してみた。この日、週刊文春が第2弾特集「舛添都知事 血税タカリの履歴」を載せた5月19日号を発売し、それを契機に主要メディアによる報道合戦が過熱し始めたからだ。すると、同月末までの期間で全国紙5紙のうち日経以外の4紙が記事中で週刊文春に触れていることが分かった。

具体的には、週刊文春へ言及した記事数は朝日5本、毎日4本、産経3本、読売2本だった。このうち朝日、毎日、産経の3紙では1面での言及も確認できた。誌名は書かずに単に「週刊誌」と言及する記事は朝日、毎日、読売で1本ずつ。日経紙面上では週刊文春はおろか「週刊誌」という言葉も見当たらなかった。