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「公務員なめんなよっ!」納税課の女性が主人公、異色の漫画『ゼイチョー!』に要注目

「BE・LOVE」で連載されている『ゼイチョー!~納税課第三収納係~』。新人徴税吏員(りいん)・百目鬼華子(どうめき・はなこ)が主人公の公務員お仕事漫画である。

徴税吏員という耳慣れないこの職業、主な業務は納税処理と滞納対策だ。税金未納者の経済状況を把握し、自宅に電話をかけ、訪問し、時に財産を差し押さえて税金を納めてもらうよう促すのが仕事だ。

プライベートに立ち入らざるを得ないだけに滞納者側の拒絶反応は大きく、取立屋かのような扱いを受ける場合もある。それでも華子は税法の知識を駆使して真正面から向き合い、税金を完納するため、何より滞納者のために様々な問題を解決していくのだ。

この異色の漫画がなぜ生まれたのか。その背景を探ろう――。


 知っていれば助けになるはず

作者である漫画家の慎結(しん・ゆい)さんは、数年前に納税の仕事を手伝ったことをきっかけに、この漫画の構想を得たという。

「行政のサービスは国民の守られた権利なので、もっと使った方が良いのに、なかなか知る機会が少ないのは残念」と語る。そして「納税について知っていれば役立つことが多いので、例えば義務教育で確定申告まで教えるなど、積極的に税金について教えてくれる場ができ、自然と知識が身に着く環境ができたら理想的だと思います」と続けた。

『ゼイチョー!』に登場する滞納者たちは、さまざまな権利を知らなかったがために苦労をする人たちばかりだ。

たとえばアルバイトをしながら病気の母親を扶養する浅川は、扶養控除と医療費控除を知らず、高い税金を納めていた。そんな浅川に対して華子は「更生の請求」、確定申告のやり直しをすすめる。控除分を再計算して所得に合った税額を割り出し、過払い分については返還される。

また固定資産税を滞納した末、夫に内緒で消費者金融に手を出した主婦には、まず夫に事実を伝えるところからスタートする。家庭の問題を解決し、つつがなく納税できる道筋を整えるのも仕事だ。

徴税吏員は税金を徴収するだけの存在ではなく、個人の経済状況や事情を総合的に判断して、適正な額の税金を納める方法を一緒に考える税金のプロなのだ。

読者からは「税金について知ることができてうれしい」という感想が多く寄せられるという。同じくらい多いのが、「市役所や公務員に対してのイメージが変わった」という感想だ。

はじめて滞納者の自宅を訪れた華子は、「納税課です」と名乗ろうとして先輩吏員にたしなめられる。滞納者の立場をおもんばかった細やかな配慮など、一般には知らない人が多い事実も多く、とても興味深い。

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