雑誌 地震・原発・災害 週刊現代
大地震が来てからでは遅い!
「災害弱者」となるあなたの老親をどう守るか

熊本大地震に学ぶ
倒壊した熊本県益城町の家屋。介護をする家族にも余裕などない〔PHOTO〕gettyimages

「余裕がない」「地震なんて先の話だ」。そう考えて日々の暮らしに追われているとき、突如として大地震は襲ってくる。「災害弱者」と呼ばれてしまう老親の命をどう守るのか。今考えるべきこととは。

一歩間違えば、死んでいた

「夕食を済ませて、親父の身体を拭いてやり、ベッドの近くに置いたテレビをつけて、9時のニュースを見せていた時だったと思います。自分の部屋で用事をしていたら、ドンッと揺れがきた。

居間のほうで、女房が何か叫ぶのが聞こえましたが、近づくこともできない。長く感じましたが、揺れていたのは1分くらいだったですかね。正直、脚がすくんで、ほうけていましたが、女房が『お父さん、お父さん』と呼んでいるのを聞いて、ハッとしたんです」

熊本市在住の濱中康人さん(54歳・仮名)は、車いすが必要で、認知症も始まっている父親(87歳)と暮らす自宅で襲われた、4月14日の熊本地震の最初の衝撃を、こう振り返る。

最大震度7の直下型地震。幸い、家が倒壊することはなかったが、介護ベッドが入った父親の部屋では、タンスが倒れた。ベッドの手すりに引っかかり、かろうじて父親はケガをせずに済んだが、「一歩間違えば命も危なかったかもしれない」と濱中さんは話す。

高齢化率26・7%、国民の4人に1人以上にあたる3392万人が65歳以上の超高齢化社会に突入した日本。誰もが親や伴侶、親類縁者の中に一人や二人は、介護が必要な高齢者がいておかしくない。

一方で、「今後30年で70%の確率で起こる」とされる首都直下地震や、南海トラフの巨大地震など、専門家らは「いつ起きてもおかしくない」と口を揃えて大地震の到来を警告している。

南海トラフに関しては、この5月24日にも海上保安庁によるGPS調査で、東海地震の震源とされる駿河湾南西部に、これまでの想定を上回る大きな歪みがたまっていることが分かったと発表されるなど、想像もつかない大災害がやってくる可能性が高まっているのだ。