野球
【感動秘話】広島カープ、悲願の優勝へ〜知られざる黒田博樹と新井貴浩の「約束」
マエケンが抜けても、この二人がいる
(左)黒田博樹(右)新井貴浩〔PHOTO〕wikipedia

誰がこの展開を予想しただろうか。エースが抜け、台頭を期待された若手投手も軒並み、二軍で調整中。それでもカープは首位争いを続ける。結束する赤ヘル軍団の中心には二人の男の絆があった。

生え抜きの雑草戦士

コイのぼりの季節が終わっても、カープの好調は止まらない。昨季、広島は1勝に泣いてクライマックスシリーズ出場を逃し、オフにはエース・前田健太がドジャースに移籍した。穴を埋める大きな補強はなくても、首位争いを続ける秘訣を、広島の元監督の達川光男氏が明かす。

「マエケン(前田)が抜け、ほとんどの評論家が広島を下位予想にする中、私は優勝にしました。2月の沖縄キャンプ打ち上げの光景を見て、雰囲気のよさを感じたからです。

キャンプの最後は参加者全員で円陣を作り、一本締めで終わるのですが、普段はあまり喜怒哀楽を出さない緒方(孝市)監督が柔和な表情を浮かべ、その両隣にベテランの黒田と新井が立っていました。

監督の隣には主力選手はいきたがらないもので、あの場所には若手選手が立つものです。そこに二人がすっと寄っていった。大相撲の横綱の土俵入りで、横綱の両脇を固める太刀持ちと露払いに見えましたよ。

二人とも昨年、久々にカープに戻り、でも結果的にチームは4位に終わった。『緒方監督に恥をかかせてしまった。今年は何とか男にしよう』という思いを感じます」

1996年にドラフト2位で入団したエース黒田博樹(41歳)と2年後にドラフト6位で入団した新井貴浩(39歳)。'91年以来、セ・リーグ最長の四半世紀もの間、優勝から遠ざかる広島の低迷期を、それでもエースと主砲として牽引してきた。