雑誌 ドクターZ 週刊現代 学校・教育
次の消費増税にむけて財務省が打った「布石」〜「給付型奨学金」をめぐる唐突な態度変更の理由

財務官僚は国民を見ていない!?

先送りから一転、「給付型奨学金」を導入する方針が決まった。

これまで日本の大学には、返済が義務づけられている「貸与型奨学金」しかなかったが、政府は返済が不要である「給付型奨学金」を、早ければ2017年度にも創設するという。

奨学金制度を所管する文部科学省は、4月中旬、給付型奨学金について財務省との協議に着手。ただ、給付型には一定の恒久財源が必要になることから、財務省は難色を示していた。それを受け、政府も導入に関する結論を先送りする方針を固めていた。

それがなぜ、一転導入へと変わったのか。政府関係者は「財務省の態度が軟化したため」とするが、そうだとすれば、財務省が態度を変えたのはなぜか。

これには、消費増税の見送りが深く関係していると、私は読んでいる。

伊勢志摩サミットが終わった5月28日夜、安倍晋三首相は消費増税見送りの方針を示した。するとすぐさま、財務省は麻生太郎財務相を通じて、見送り反対の意向を発表した。

財務省が消費増税見送りに反対するやり方はいつも同じで、「消費増税なしでは社会保障費がまかなえず、予算が組めない」という脅しである。

財務省がこの脅しをできるのは、そもそも消費税が、「社会保障目的税」とされているからだ。そのため、社会保障関係者は、この理屈を持ちだされると、消費増税に賛成せざるを得なかった。

消費増税の先送りが決まったことで、財務省による来年度予算での社会保障関係費の締め付けは、間違いなく厳しくなるだろう。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら