雑誌 企業・経営 週刊現代
成約率なんと9割! 日本のモノづくりを進化させる「マッチングサイト」はこうして生まれた
リンカーズ・前田佳宏社長に聞く
〔photo〕iStock

(取材・文/夏目幸明)

“ものづくり系マッチングプラットフォーム”を運営し、日経BP社の「日本イノベーター大賞」優秀賞も受賞した注目企業・リンカーズを取材した。前田佳宏社長(39歳)は「日本のモノづくりを進化させる」と評される人物。トヨタやパナソニックの技術陣も信頼する、ITビジネス最前線企業の成り立ちを聞いた。

七転び八起きの精神

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大手メーカーの開発の現場では、よい発注先を探せず、開発がストップしている場面が多々あります。発注先を探すには、各地の技術展示会に行くか、特定の分野に詳しい大学教授や経済連合会の方に尋ねるしかありませんでした。

この非効率を解決するため、私は大学教授等の識者、約1700人を組織化しました。そして、メーカーの技術者から「こんなことができる企業はないか」と問い合わせがあると、1700人にその情報を投げ、適した企業を推薦してもらい、有料でマッチングします。

ITの今後

ご存じの通り、日本には世界最先端の技術力を持つ中小企業があまた存在します。しかし模倣されることを怖れ、その技術についてホームページで公表できない場合も多い。ウェブには、世界中を一気に検索する「網羅性」がありますが、「信頼性」に欠ける面があります。

発信者側には「悪意がある人物に見られる」リスクがあり、受信者側には「本当にほしい情報かわからない」不安があるのです。

この情報の信頼性を、人力で高めたのが当社です。今後は既存の買い物、求人、飲食等のサイトも、網羅性と信頼性を兼ね備えたシステムが伸びていくはずです。

失敗論

起業は失敗の連続でした。私が創業当初につくったのは「ウェブ展示会」システム。技術を持つ会社が、取引先として考えられる企業にだけ、自社技術を公開できるサイトです。

しかし、技術者からは「普通にネットに書き込むのとどう違うのか」と言われ盛り上がらず、そこから現在のリンカーズのシステムを考えつきました。最初から正解を見つけようとするのは無理なのかもしれません。

アイデアを思いついてからも苦労の連続でした。全国の識者全員を一人で訪ねるのは難しいので、識者がたくさん在籍する、各地の経済連合会や自治体の産業振興課を訪ねましたが、どこに行っても門前払い(苦笑)。

しかし何十回かの失敗ののち、東北経済連合会を訪ねると、幹部の方が会って下さり、「震災で痛手を被った東北の製造業の復興に繋がる、日本全体のためにもなる」と全面協力してくれたのです。

今思えば、幾度門前払いされても続けたからこその出逢いでした。

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