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「最も誠実な国」ドイツがトルコに嫌がらせ!100年前のアルメニア人迫害は「ホロコースト」と同格なのか
どうなる難民政策
〔PHOTO〕gettyimages

世界でもっとも誠実な国民

「虐殺の歴史というのは、無視するものといつでも相場が決まっている。ただ、それ(あるグループの人間全員の虐殺を試み)を告白した国がただ一つある。ドイツだ」(5月27日付ドイツの大手新聞『ディ・ヴェルト』紙のタブロイド版より)

ドイツは、70年間にわたってホロコーストに対する反省と謝罪を国是としてきた。謝罪の歴史は、ドイツ人にとって今や自慢を通り越して、ほとんど快感となっている。

ホロコーストに対する徹底謝罪の裏には、犯罪の規模があまりにも大きく、証拠も出揃いすぎていたため、いまさら否定などしても無駄という事情があった。また、早急に対策を取らなければ、国際社会に復帰できない恐れも強かった。戦争直後のドイツのイメージは、それほど損なわれていたのである。

イメージの改善には徹底的な謝罪しかない、とドイツ人は考えた。

あれだけの殺人を何年にもわたって組織的に行えたということは、ナチに対する国民の協力、あるいは容認があったことは間違いない。だが、しかし、彼らは徹底的な謝罪として、「国民の断罪」ではなく「ナチの断罪」を選んだ。つまり、国民はナチに騙されていただけで、基本的には罪がなかったが、それでも「ナチの罪」をナチに代わって謝罪し続ける、という構図だ。

その努力が、70年かけてたわわな実を結んだ。ドイツ人のイメージは一新し、今では「世界でもっとも誠実でモラルの高い国民」である。前述のジャーナリストをはじめ、ドイツ人が言っているのだから間違いない!

たしかに多くの国民は、国家の思惑などとは無関係に、あるいはそんなことに気づかずに、本当に心から誠実であり、しかも、自分たちが誠実だということをつゆも疑わない。昨年の「難民ようこそ政策」も、この善良で人道的な人々がいてこそ成り立ったことだった。そうでなければ、いくらメルケル首相が発破をかけても、1年で110万人の難民希望者を受け入れたりはできない。

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