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ダブル選見送りの思わぬワナ〜安倍政権は「求心力維持」のチャンスを失った…?
増税延期には大賛成だが…
【PHOTO】gettyimages

メディアが「増税凍結」と言わない理由

安倍晋三政権が決めた消費増税の再延期と衆参ダブル選挙の見送りをどう評価するか。「再延期+ダブル選実施」を唱えてきた私から見ると、実現したのは、より大事なほうの半分なので60点だ。ただ2年半の増税延期は実質凍結と同じだから、おまけして70点としよう。

増税延期がなぜ必要か。それは散々書いてきたから、ここでは繰り返さない。それより増税の再延期が、なぜ実質的に増税凍結なのか。

増税予定だった17年4月から2年半後の2019年10月といえば、安倍首相の自民党総裁任期である18年9月を過ぎてしまう。実務的にも19年10月から増税しようとすれば、ぎりぎり19年3月ごろまでに決断すればいい。

いずれにせよ安倍首相の任期が終わった時点なので、10%への増税をするかどうか本当に決めるのは、安倍総裁の任期が延長され首相に留任しないかぎり、次の首相という話になる。次の首相がだれになるか分からないのに加えて、次期首相が安倍首相の約束を守るかどうかは分からない。

いまの衆院議員の任期は18年12月だ。それまでに衆院選があればもちろんだが、任期満了で総選挙になったとしても、選挙結果次第で、最終決断する19年3月時点では自民党政権が続いているかどうかさえも分からない。

つまり2年半後の政権が決まっていないのだから、増税がどうなるかは当然、分からない。結局、はっきりしているのは「いまの安倍政権が続いている間は増税しません」という話だけなのだ。

延期というなら、次は実施できる条件がそろっていなくてはならないはずだが、そんな条件はいま安倍政権の手元にはない。だから、これは再延期というより実質的には「安倍政権による凍結」というべきなのだ。

少し考えれば分かるような単純な話なのに、マスコミはいまも再延期と報じている。なぜかといえば、結局のところ「安倍政権がそう説明しているから」だろう。彼らは基本的に取材対象が使った言葉をそのまま真に受けて記事を書く。物事を本質的に考えず、相手の受け売りで記事を書く習性が身についている。

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