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ピッチャーの肘に悪いのは、変化球ではなく速球だった!? メジャーでひっくり返った「常識」
トミー・ジョン手術を追跡調査
〔PHOTO〕gettyimages

メジャー・リーグの投手を悩ませる肘の怪我。最近ではレンジャーズのダルビッシュ投手が(肘の靭帯を移植する)トミー・ジョン手術から見事に復活したことで、改めて注目を浴びている。

こうしたピッチャーの肘の怪我の原因は、実は(変化球よりも)速球の投げ過ぎとの相関性が高い――そんな調査結果が最近、米国で発表された。

●"Fastballs Can Lead to Tommy John Surgery, Study Finds" The New York Times, MAY 20, 2016

●"Study shows connection between fastballs and Tommy John surgery" USA TODAY, May 27, 2016

浮かび上がってきた唯一の傾向

今回の調査結果(http://www.henryford.com/body.cfm?id=46335&action=detail&ref=2413)を発表したのは、デトロイトのヘンリー・フォード病院に所属するロバート・ケラー博士らの研究チーム。

彼らは、メジャー・リーグでトミー・ジョン手術を受けたことのある投手83名と、同手術を受けたことのない(つまり肘の靭帯を損傷したことのない)投手83名の投球記録を様々な側面から比較した。

そこから浮かび上がってきた唯一の傾向は、全投球数に占める「速球」の割合だった。

トミー・ジョン手術を受けた投手では、全投球数に占める速球の割合が46.8%であったのに対し、手術を受けたことのない投手では、この割合が39.7%だったという。つまり速球を多く投げる投手ほど、肘の怪我を引き起こしやすいということを示唆している。

これ以外では、目立った傾向の違いは見られなかったという。(肘の怪我をした投手と、しなかった投手の)両グループとも平均年齢は28歳で、右腕投手の占める割合は70%。そして共に、先発とリリーフが半々。また、平均身長・体重とも両グループで同じだ(おそらく、同調査を実施した研究グループが、投球データ以外の条件を統一するために、意図的に合わせたのかもしれない)