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佐藤優が明かす「実践的な教養」の身に付け方
〜まずこのニュースサイトをチェックせよ!

ロシア国営「スプートニク」(上)、イラン国営サイトはディープな情報源〔PHOTO〕gettyimages

見ておくべきニュースサイト

ここまで、ニュースの読み解き方に始まり、宗教、論理力・数学力、哲学など、社会人が身に付けるべきさまざまな「教養」についてお話ししました。最終回の今回は、皆さんからの質問にお答えする形で、実践的な教養の身に付け方をおさらいしたいと思います。

Q : ニュースを読む・見るときのポイントは?

A : まず、日本語の報道を読むだけでも大丈夫だということを言っておきます。よく「英語のメディアにも目を通せ」と言われますが、無理をする必要はありません。

というのも、英語が母語でない人が英文を読むのはものすごく疲れるからです。最初の30分は大丈夫でも、そこからガクンと能率が落ちるから、長続きしない。それに、日本語で情報収集・分析するだけでも、かなりのことが分かります。

では、どの情報をチェックすればいいか。まず挙げておきたいのは、ウォール・ストリート・ジャーナル日本版。日本の新聞とはまったく違う記事が載っていますし、CNNの最新記事も数時間で日本語に翻訳されます。日頃からこれに目を通しておくと、国際ニュース、特に日本のマスコミの弱点である中東ニュースなどは、かなり早く手に入ります。

さらに、海外大手メディアにも報道されないような深い情報は、イラン国営放送「Pars Today」や、ロシア国営「スプートニク」のウェブサイトをチェックするといいでしょう。これらはいわゆる「国策メディア」ですから、編集方針が国家の利害を反映していて、とても興味深い。「ハメネイ最高指導者の言葉」とか「今日のコーラン」といったコーナーにまじって、重要なニュースが載っています。

Q : 数学がとても苦手なのですが、どうやって復習すればいいですか?

A : もし、「あまりにも苦手で、数学検定を受けるのも怖い」という場合は、抵抗があるかもしれませんが、公文式がおすすめです。実は公文式では、大人向けの講座も充実しています。どれだけ問題を解いても月謝は変わりませんし、何より公文式は「ほめて伸ばす」というシステムをとっているので、無理なく続けられる。

数学は積み重ねですから、理解の穴を見つけ出し、埋めるためにも、面倒がらずに基本からやり直すことが大切です。

教室に通える余裕がある人は、週2回を目安にすれば、半年もかからず中学の数学までは完璧にできます。その後は、高校1年生の課程が3ヵ月くらい、高校2年と3年があわせて1年くらいでしょう。とりあえず中学まで終わったところで、数検3級を受けてみると、身に付いたかどうか分かります。全体で1年半くらいかければ、数学は怖くなくなるはずです。

Q : 英語の場合は?

A : まずは、今の英語力を測るためにも、英検2級を受けてみる。これはだいたい、高校2年生と同じくらいのレベルです。歯が立たないようならば、3級に戻るといいでしょう。英検の関連教材はすごくよくできていますから、それを使って勉強するのがおすすめです。英検準1級に合格できれば、TOEFL換算でだいたいスコア100になります。これは外務省が入省時に「即戦力になる」と判断する基準と同じです。

現在の新人キャリア外交官のうち、何割がこの基準をクリアしていると思いますか? 実は、わずか3割だそうです。私が外務省に入った頃は、専門職を含め、TOEFLスコア100は全員が持っていたのですが。

ちなみに、昔の外務省の入省試験は、「和文外国語訳」と「外国語和訳」しかありませんでした。これは明治時代からずっと変わっていなくて、採点者さえしっかりしていれば、語学の能力が最もよく分かる方法です。しかし現在では、この試験は専門職職員にしか課されていません。現在の日本外交の停滞は、外務省職員の英語力低下とも関係していると思います。

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