企業・経営 経済・財政

原田泳幸、藤森義明…会社を追い出される「プロ経営者」の共通点

そうか、アレが足らなかったんだ
中沢 光昭 プロフィール

日本で歓迎される「プロ経営者」の資格とは

こうしたネガティブな感情に火が付くと後戻りは出来ません。原因は何にせよ、実態オーナーは自分が雇った今の社長を交代させる理由を探しに行くようになります。

考えや行動が古いために新社長に冷遇された古参社員などから愚痴や不平不満を聞いたりすると、勝手にそれを「社員全体の意見」としてあげつらったりして、「新しい流れに組織がついていってない。社員も困惑している」と捉えます。「意見を言えるのは俺だけだ」なんて妙な正義感も芽生えてきます。

しかも厄介なのは、こうした実態オーナー本人には、問題のある行動をしているという自覚は殆どなく、「会社のためだ」という純粋な想いをもっているということです。

恐らく、大塚家具のお家騒動はまさにこのパターンではないでしょうか。創業者の大塚勝久氏は、娘・久美氏が継いだ会社の競合となる新会社を作って、実態的に社員を引き抜く、という大胆な行動に出てしまいました。

外から見ている分には劇場的で興味をそそられるかもしれませんが、BtoCのビジネスにおいて、社員の動揺を増幅させるような事象が続いていることは、元の会社、新会社ともに今後苦戦する確率を高めたことは間違いないでしょう。

はっきり言えるのは、物事を大きく変えなければいけない局面では、船頭多くしてうまくいくことはほとんどないということです。

資生堂やサントリーなど有名企業においても外部招聘経営者が起用されていますが、彼らがそうした理不尽な騒動に巻き込まれないためには、実態オーナーのご機嫌を取りながら彼らの感情を上手くコントロールすることが前提条件となるのです。

日本で歓迎される「プロ経営者」とは、それができる人のことを指すのかもしれません。

中沢光昭 企業再生をメインとした経営コンサルタント。経営者としても含めて破綻会社や業績低迷企業の再建・変革実績を多数持つ。また、高齢化に伴う第三者への事業承継の受け手として事業会社も所有。著書に『好景気だからあなたはクビになる!』(扶桑社)、『経営計画はなぜうまくいかないのか?』(Kindle版)などがある。企業変革の進め方やコスト効率の改善、再生企業の経営全般、また、後継者候補や株式売却先候補にお悩みの中小企業の経営者・オーナー様からのご相談など、お気軽にご相談ください