磯山友幸「経済ニュースの裏側」
2016年05月31日(火) 磯山 友幸

軒並み黒字でも明るくなれない、電力会社の胸中~直面する「販売電力量の減少」という大問題

【PHOTO】gettyimages

「燃料費激減」が示すもの

大手電力10社の2016年3月期通期の連結決算で、経常損益が全社そろって黒字になった。10社が黒字になったのは、東日本大震災以降初めて。昨年は関西電力と九州電力、北海道電力の三社が経常赤字だった。久方ぶりの好決算というわけだが、これで大手電力の収益体質が立ち直った、というわけではなさそうだ。

今回の決算では、関西電力が昨年の1130億円の経常赤字から2416億円の黒字に転換したのが目を引いた。九州電力も736億円の赤字から909億円に黒字に転換した。業界最大手の東京電力も2080億円から3259億円に利益を大きく増やした。

電力大手10社の2016年3月期の業績(出典:電気事業連合会)

今回の損益改善の要因は原油価格の大幅な値下がりで、火力発電用の燃料費が激減したこと。加えて、各社が電力料金の値上げに踏み切ったことも収益改善に結び付いた。

特に関西電力の場合、燃料費が7103億円と前の年の1兆1865億円から4762億円も減ったことが収益を劇的に改善させた。関西電力の昨年からの経常損益の改善幅は3546億円だから、それを大きく上回る燃料費の減少効果があったことになる。

他の電力会社でも燃料費の減少が大きく、東京電力の燃料費は1兆6154億円と、前の年の2兆6509億円に比べて、何と1兆円も減少した。東日本大震災以降、原子力発電所の稼働停止が相次ぎ、結果的に石油やLNG(液化天然ガス)を原料とする火力発電の割合が大きくなっている。

火力の割合が高まっただけ、原油やLNG価格の下落の効果が大きく効いたということになる。

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