大金持ちへの最短ルート!?「プログラミング教育」はもはや不可欠。しかし拙速な「必修化」はキケンだ
できるかできないかで世界が変わる
清水 亮

もっとも最悪なのは、ムリにプログラミングを教えた結果、子供たちがプログラミングを嫌いになった、もしくはコンピュータに対して苦手意識を持った、という状況を生むことです。

多かれ少なかれ、プログラミングに点数を付けられるわけですから、成績の悪い子も当然出てきて、「プログラミングが苦手」という意識を持つことになる。これではかえって時代に逆行してしまう。

また小学校の授業は、少数の教諭が1日を通して進めるもの。だからこそ、科目としてはじめる導入する前に検討すべきなのは、教育学部やカリキュラムの改革のほうであって、「科目として一足飛びにスタート」というのは暴論としかいえません。

大富豪の多くがプログラミング経験者という事実

誤解を解いておきますが、もちろん、プログラミングの「義務教育化」という考え自体は賛成です。

今や、スマートフォンという存在を抜きにして、経済や社会どころか、文明すら成り立たないところまで進みつつあります。

そこにきて今後、人工知能が高度化していくことを考えれば、おそらくプログラミングができる人と、できない人の差は、あらゆる面で大きく開いてしまうはずです。なぜなら人工知能を使いこなすには大なり小なり、プログラミングをする必要が絶対にあるから。

先日、人工知能にとって最難関だった「ゲーム」の囲碁で、ついに名人が敗北したのが象徴的ですが、すでに「プログラム取引」が普及した金融やコンサルティングなどの分野はもちろん、もっと一般的な企業や店舗経営において、人工知能を頼りにする日もそれほど遠くないことでしょう。

だからこそ早い段階からプログラミングを理解する必要は明らかに生じています。

現実として、これまで世に出た高名なプログラマーや、プログラマー出身の経営者の多くは13歳までにプログラミングを経験しているそうです。さらに現在の世界の大富豪、トップ20人のうち実に7人がプログラマー出身とも言われています。

そういった事情下で、国を挙げてプログラミング教育を推進する意義はあるし、筆者もそのために尽力をしてきました。ただし先述のような理由から、慎重に進めないとむしろ台無しになる可能性もある。筆者が危惧しているのは、そこです。