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日本を再びデフレに陥れる「円高シンドローム」を警戒せよ!
※写真は2月9日の為替相場〔PHOTO〕gettyimages

今後の「ドル円レート」はどう動くのか

筆者が思いつくに、為替レートの「水準」を判断する方法としては、①金利差(実質・名目)、②マネタリーベース比率(ソロスチャート)、③購買力平価などがある(「テクニカル分析」は「職人芸」の領域で再現可能性がほとんどないと考えているので取り上げない)。

その中から今回は、購買力平価を用いて、現在のドル円レートの水準を考えてみよう(ちなみに筆者は、①の名目金利差で考えるアプローチは為替レートを考える際には役に立たないし、特に通貨投資を行う場合には大きな損失を被るリスクがあると考えているため用いないことにしている)。

購買力平価とは、単純にいえば、「2国(ドル円レートの場合は、日本と米国)の物価水準によって為替レートが決まる」という考え方である。

「物価水準」をはかる代表的な指標としては、消費者物価と生産者物価(日本の場合は企業物価)があるが、消費者物価は、非貿易財サービス(貿易取引がなされない財、代表的なものとして、理容・美容サービスが挙げられる)を含んでいるため、通常は、生産者物価(企業物価)ベースの購買力平価が用いられる。

実際のドル円レートと購買力平価の動きを並べてみると(図表1)、両者の間には大きな乖離があり、実際のドル円レートは必ずしも購買力平価と一致するわけではないことがわかる。だが、同時に、購買力平価が長期的なドル円レートの「トレンド」を示していることもまた確認できる。

ところで、実務的には、実際のドル円レートと購買力平価の「乖離率」の動きに注目することが多い。すなわち、乖離率がプラスであれば「円安」、逆にマイナスであれば「円高」というのが一応の判断基準となる(もちろん、別の為替レートモデルを用いる場合には別の判断基準となることはいうまでもない)。

そして、実際のドル円レートが購買力平価の水準から±20%の乖離率の水準に到達すれば、+20%の場合には円安、-20%の場合には円高のピークが近づいた可能性が高く、為替レートが反転するタイミングが近いとされている(あくまでも「経験則」だが)。

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