台湾
「日本の友人」が戻ってきた!台湾新総統が就任演説でみせた「親日回帰」の兆候
〔PHOTO〕gettyimages

見えてきた「輪郭」

5月20日午前に行われた蔡英文新総統の就任演説を、台湾のインターネットTVの生中継で見た。就任前よりも、かなり険しい顔つきを貫いていたのが印象的だった。

筆者は以前、李登輝元総統の自宅を訪れてインタビューした際、「中華民国総統」の椅子に座るとどのような気持ちがするものなのかと、尋ねてみたことがある。すると李元総統は、しばし沈思黙考した後、こう答えた。

「私は台湾の最終意思決定者だという気持ちが、常にあった。私の決定が誤れば、2000万以上の台湾国民が犠牲になる。隣には、民主国家の常識が通じない巨大な中国がいて、いつ何が起こるか知れない。そんなものすごい緊張感の中で、最後は自己の信仰心に基づいて決定していた。台湾の総統とは、それほど過酷な役職だった」

2016年の台湾も、問題山積の内政と、「麻煩」(面倒)なことこの上ない中国との外交戦は、李登輝総統の時代といささかも変わっていない。学者出身の蔡英文新総統にとって、これからの4年間は、政治理論を離れて、現実との「格闘」の日々となる。

では、蔡英文新総統は、どのような政権運営を目指すのか。以下、就任演説から見えてきた蔡英文政治の「輪郭」をお伝えしよう。

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