雑誌
安倍晋三と菅義偉「ダブル選」をめぐる水面下の暗闘〜どっちが本当の総理なの?
影の宰相に残された時間は長くない
〔PHOTO〕gettyimages

安倍総理にとって、衆参同日選挙の狙いは「野党に勝つこと」だけではない。自らを脅かすまでに力をつけた「獅子身中の虫」を早いうちに叩き、日陰へと追いやる—もう駆け引きは始まっている。

オバマも利用する

「安倍総理は今、絶対に守りに入りたくないんです。『アベノミクスが失敗したと批判されるから、解散できなかったんだ』とは、言われたくない。

5月初め、総理があれだけ外遊に行って各国首脳に根回ししたのも、伊勢志摩サミットを何としても成功させ、ダブル選を打つための布石です。

オバマ大統領の広島入り決定は大きな得点でした。これで、懸念事項は熊本の復興だけになった」(官邸スタッフ)

やるのか、やらないのか——安倍政権にとって最大の山場、夏の衆参同日選。一度は「とうていムリ」と思われたこの大勝負だが、迷いに迷った安倍総理の腹は、「やっぱりやる」に傾きつつある。

「国会の閉会日は6月1日に迫っている。この日に解散を表明すれば、7月10日に余裕で衆参同日選ができます。ちなみに、6月1日は大安。飯島(勲内閣参与)さんの指導があって、安倍さんは意外と暦を気にしている。1日はスルーして野党を油断させ、8日か14日にサプライズ解散、という可能性もある。この両日が友引だからです。

解散の大義名分は、『アベノミクスを続けていいか、国民に問いたい』。そのへんの作文は、もう今井(尚哉総理秘書官)さんが終わらせています」(前出・官邸スタッフ)

政権関係者や財界の幹部たちは、「5月18日に発表される今年第1四半期のGDPが、解散の有無を左右する」と言う。しかし本当のところを言えば、総理にとってはGDPが上がろうが下がろうが、株価がどうなろうが、実は関係がない。

数字がもし良ければ、大手を振ってアベノミクス成功をアピールできる。悪ければ悪いで、「消費税を上げるな」と、世論は勝手に盛り上がる。いずれにしても、「解散」への追い風が吹くのだから。

各社の最新の世論調査によれば、内閣支持率は、前回調査よりもおよそ3ポイント上昇。熊本県を中心に、九州でなお続く地震が支持を押し上げた。

ある自民党議員が言う。

〔PHOTO〕gettyimages

「当の九州選出の(自民党)議員さえ、表では『こんな状況で同日選なんてできるか』と言ってポーズをとっていますが、ウラでは『阪神大震災や東日本大震災と比べれば、全然規模は小さい。影響はない』と言っている。

安倍総理も『5月いっぱいで、熊本は見極める』という構え。昭恵夫人の熊本入りで地元は拍手喝采でしたし、何より総理は、自分で九州入りして陣頭指揮を執った結果、手応えを感じたのです。

総理側近たちは、安倍総理に『サミットの流れのまま、同日選になだれこむべき』と言い続けています」

今ならやれる。安倍総理はますます、その思いを深めている。

安倍総理でなくとも、「解散すれば確実に勝てる」というチャンスを、みすみす逃す総理などいない。数ヵ月後、あるいは1年後に、再び「必勝」の状況が整う保証はないのだ。

たとえ国民から見れば、何の益もない解散総選挙に思えても、勝てる時に勝つ。それが永田町を支配する「論理」なのである。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら