サッカー
被災地に希望をもたらす「ロアッソ熊本」が思い切り戦うために、私たちにできること
5月15日に行なわれたJ2リーグの復帰初戦で〔PHOTO〕gettyimages

選手たちみた揺るぎない「魂」

コラムの本題へ入る前に、このたびの熊本地震でお亡くなりになられた方々へ、心から哀悼の意を捧げたいと思います。あわせて、被災された多くの方々へ、心よりお見舞いを申し上げます。

サッカーJリーグも、地震と無関係ではありません。熊本をホームタウンとするJ2リーグの「ロアッソ熊本」のスタッフと選手も、地震の影響を受けています。

私は5月中旬に熊本を訪れ、ロアッソの関係者に会うことができました。実家が倒壊し、避難所での生活を余儀なくされている選手がいました。スタッフの何人かは、クラブハウスで寝泊まりしていると聞きました。断水が続いているので、一日に何度も給水所へ通っているとのことでした。彼らもまた紛れもない被災者だということを、私は目の当たりにしました。

5月15日に行なわれたJ2リーグの復帰初戦で、ロアッソはジェフ千葉に0対2で敗れました。練習もままならないなかで迎えたゲームです。勝利を目ざす以前に、最後まで体力が持つのかという不安を、選手たちは抱えていました。

過酷な条件のなかで、ロアッソの選手たちは最後まで全力でプレーしました。必死になってボールに食らいつく姿勢に、私は「自分たちが熊本を引っ張っていくんだ」という覚悟を感じました。彼らのサッカーには、揺るぎない「魂」がありました。

再建への第一歩を踏み出したロアッソですが、クラブを取り巻く状況は予断を許しません。

ホームスタジアムが支援物資の集積と救援活動の拠点なっているため、彼らは熊本でホームゲームを開催することができません。照明の一部が壊れていたりもしているため、利用再開は現時点で7月以降にずれ込むと言われています。

このため、ロアッソはホームゲームを代替地で開催しています。ホームとアウェイを問わずに、試合のたびに遠征をしなければいけません。これまでなら発生しなかった交通費や宿泊費が、必要になっているのです。

しかも、クラブを支援するスポンサーも被災しています。地震の影響が長期化すれば、スポンサーが撤退してしまう可能性も否定できません。

つまり、収入が不透明にもかかわらず、支出が増えてしまう苦しい状況が生まれているのです。