地震はなぜ起きるのか?今さら聞けない自然科学の秘密に迫る3冊
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地震にまつわるあらゆる誤解

連日報じられる熊本地震のニュースには心が痛む。東日本大震災を直接経験し、いまだ復興半ばの光景を身近に暮らしているせいか、遠く離れた九州での出来事であっても、とても他人事とは思えない。

今回震度7の揺れを最初にもたらした地震は、本震ではなく前震だったという発表(どちらも本震とする見方もあるようだが)を聞いた時、東日本大震災の時と同じだ、と瞬時に浮かんだ。

あの大震災をもたらした東北地方太平洋沖地震が発生した前々日の昼、三陸沖を震源とするマグニチュード7.3、最大震度5弱の地震が発生して、私が暮らす仙台市内もかなり揺れた。しかし、それが2日後の巨大地震の前震だとは、誰も思わなかった。そうだとわかっていれば、少しでも救われる命があったのではないかと思うと無念だ。

やはり現在の科学技術では、地震の予知は無理なのだろうか、そもそも、どの程度まで研究が進んでいるのだろうか。その疑問に答えてくれるのが、『地震前兆現象を科学する』である。

大きな地震が発生すると、たいてい「あれが前兆だったに違いない」というような話が、人の口伝てやインターネット上で広まるものだ。

その際によく話題に上る、いわゆる地震雲の発生や動物の異常行動は、本当に前兆現象と言えるのか、あるいは、民間で行われている地震予知情報はどの程度信頼できそうかなど、本書は偏りなく公平に、そして客観的に分析している。

この本を一読してみて、あらためて考えさせられた。私たち日本人は、地震大国に住んでいるくせに、いや、地震が頻発する列島に暮らしているからこそ、と言ったほうがよいのかもしれないが、地震にまつわる様々な事実や情報を、かなり混乱したり勝手な思い込みに縛られたりして、認識しているようだ。

予知や予測を含めた地震研究の最前線が紹介されている本書によって、そうした混乱や思い込みが、一つ一つ整理されていくのは嬉しい。