パリにあって東京にないもの、それは「夜10時過ぎ」からのエンターテインメントだ!
東京の観光振興を考える
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東京の魅力を殺いでいるものは何か

5月11日、都庁で「東京の観光振興を考える有識者会議」の第二回目が開かれた。テーマとして、(1)ホール・劇場、(2)交通機関が取り上げられたが、前回と同様に活発な議論が展開された。

2015年に日本を訪れた外国人旅行者数は1974万人(前年比47%増)と3年連続で過去最高を記録しており、国は2020年の目標を4000万人に上方修正する方針を打ち出している。訪日外国人の旅行消費額も、2015年には3兆4771億円(前年比71.5%増)と大幅に伸びており、国は2020年の目標値を8兆円にする方針である。

東京も、2014年の外国人旅行者数は887万人(前年比30%増)と過去最高を記録した。2015年1~9月の速報値も同じく887万人(前年比35.5%増)であり、いかに順調に数字が伸びているかがよく分かる。

私が就任後に掲げた「長期ビジョン」では、2020年には年間1500万人、2024年には1800万人という大きな目標値を設定している。国の目標数値の上方修正にならえば、2020年に2000万人としてもよいのかもしれない。

しかしながら、その高めの数値を達成するためには、様々な政策展開が必要であるし、ロンドンやニューヨークやパリに学ぶべき点が多々ある。

観光という観点から東京に欠けているものは、「ナイトライフ」、つまり夜のエンターテインメントである。夕食を9時過ぎに終わっても、その時間から始まる芝居やコンサートがないし、逆に観劇や演奏会などが終わって遅めの夕食をとろうとすると、開いているレストランがない。これが問題なのである。

私のパリでの生活経験を振り返ってみると、夕飯を終えて9~10時頃から始まる芝居などに行ったり、逆にエンターテインメントの後に10時頃から洒落た料理屋で夜食を楽しんだりしたことがよくある。なぜ東京で同じことを実行しないのか。

私たちが海外の大都市に行くと、夜遅くまでエンターテインメントを楽しむはずだ。先月訪ねたニューヨークでも、ブロードウェイは深夜まで賑わっていた。東京に来る外国人もまた、同じことを期待して来るのである。ところが、夜も10時を過ぎると、レストランも開いていないし、芝居もない。これこそが東京の魅力を殺いでいるのである。