企業・経営
営業利益2兆超えも来期は一転減収減益…トヨタは「試練の1年」をどう乗り越えるのか
【PHOTO】gettyimages

過去最高を更新も、来年は一転の見込み

「私たちの意志が本物かどうか試される年。これまで数年間の好業績は、為替(円安)による『追い風参考記録』だった」

トヨタ自動車の豊田章男社長は11日の決算発表での挨拶でこう語った。この発言には、これまでの円安局面から潮目が変わって円高になりつつあるなか、今年こそトヨタの実力が本当に試される年になるという意味合いも含まれる。

2016年3月期決算でトヨタは、営業利益が前年同期比3・8%の2兆8539億円となって過去最高を更新するものの、17年3月期の営業利益は一転して4割減の1兆7000億円に落ち込む見通しだ。大幅減益になる主な理由は円高だ。

トヨタの競争力の源泉は、国内の工場や開発拠点を基盤とするものづくり能力にあり、その能力を維持していくためにも国内生産300万台の死守を至上命題と掲げる。そして1兆円を超える研究開発投資の7割以上を国内に投入している。

国内市場が縮小する中で国内生産の維持にこだわると、輸出を増やしていかなければならない。そうなると、為替が円高に振れると、一気に大幅な減益となる。短期的な収益を求め、為替によるリスク要因を減らそうと思えば、海外生産を加速させていくのがベターだ。

しかし、敢えてトヨタは国内生産の維持にこだわっている。

だからこそ、為替など外的環境がどのように変化しても持続的な成長ができるかに腐心してきた。これには、リーマンショック前にいたずらに量的拡大を求めすぎた結果、人材育成や品質管理が疎かになり、身の丈を超えた経営になってしまったことで、リーマンショック後に大赤字に転落、大規模リコール問題も起こしたとの反省もある。

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